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残存歯数

A:歯医者さんが教える歯の秘密

こんにちは。木曜日の昼下がり、いかがお過ごしですか。ここからは、歯医者さんが教える歯の秘密でお楽しみください。お相手はあゆみ歯科クリニック院長の福原隆久と住友未央です。

 

B:この番組では、歯に関するさまざまな情報をお届けし、予防歯科で健康寿命を延ばし、すこやかな未来をめざします。当たり前のようで、知らなかった歯科の世界を楽しくお勉強しましょう。最後までおつきあいをよろしくお願いいたします。

歯医者さんが教える歯の秘密。この番組は、あふれる笑顔をすべての人に、あゆみ歯科クリニックの提供でお送りします。

 

あゆみ先生、今週もよろしくお願いします。

先週は、先生のクリニックのすばらしい電話番号の語呂合わせについてお伝えしました。すごいですね。

 

A:いろいろ思いつくものですよ。

 

B:「むしばなし」「しろいは」など、電話番号の語呂合わせを紹介していただきました。

 

A:松井山手のときもなにか語呂合わせがあったのでしょうけど、そのときは思いつかなかったので、次から次へとやり直しをすることになりました。でも、慣れてきたら、すぐに思いつくようになりました。3つも候補があれば、何かの語呂合わせを見つけられるようになります。

 

B:あゆみ先生のクリニックも電話番号の語呂合わせがすばらしいというお話を先週していたのですが、デンタルIQについてもお話しいただいて、スーミンのIQを高めたいと思います。

 

A:あれから1週間が経ちましたが、右下の虫歯のことで、歯医者さんに電話しましたか。

 

B:年内には行こうかと思っています。わたしのデンタルIQはこれぐらいです。

 

A:デンタルIQの低い人は、痛くないと、「また明日にしよう」とか「仕事が忙しいのでまた今度にしよう」という気持ちになって、「痛くなったら行けばよい」と思ってしまいやすいです。

でも、後回しにすることで、歯はより悪くなってしまいます。痛くなってしまうときは、もうすでにひどくなっている状態です。

予防歯科をしていて、一番理想なのは、一生虫歯にならないことですよね。 

 

B:そうですね。

 

A:定期健診をしている人たちが、一生虫歯にならないようにしたいと思っています。究極をいうなら、定期健診に行かなくても一生虫歯にならないことがよいのですが、それはなかなか難しいです。それで、3カ月に1度程度のお手入れをすすめています。虫歯になったとしても、3カ月に1度通っていれば、虫歯が小さい状態で発見できますから、1回の治療で詰め物をするだけで終われます。でも、放っておくなら、スーミンの右下の虫歯のように、歯が割れてしまい、薬を入れなければならなくなったり、麻酔をして型を取って銀歯を詰めたりということになりかねません。

それを防ぐのが予防歯科で、そのために必要なのがデンタルIQということになります。

ほんとうに自分で分かっているのであれば、歯が悪くなってしまうなら、将来すぐに歳をとった感じになってしまうこと、将来すぐに食べられないようになってしまうこと、ダイビングができなくなること、歯を食いしばれなくなって運動能力も低下してしまうことが想像でき、歯医者さんに行きたいと思えることでしょう。

ほんとうに歯はとても大事なんですよ。

 

B:分かっているのですが、行動に移せないです。まだまだデンタルIQが低い証拠だと思います。長いあいだあゆみ先生と番組をしているのに、恥ずかしいです。

 

A:「医者の不養生」という言葉のように、すすめている方が、あまり率先していないということもありますからね。京都に住んでいる人が、あまり金閣寺に遊びにいかないということと同じです。

 

B:以外とそうなんですね。

 

A:昔、遠足で行ったのでもう行かないということが、よく京都に住んでいると起こりえます。「お寺がたくさんあってよいですね」と言われることがありますが、実際には小学生のとき以来行ったことがないということもあります。

 

B:以外と京都の方は、お寺に行かないようですね。

 

A:よく知っているので、行く必要を感じないようです。

 

B:そういう感覚に近いのかもしれません。

 

A:「歯のことはよく分かっている」というだけに終わらず、ぜひ治すようにしてください。今は薬が入っている状態だと思います。薬は、長期間持つものではなく、内部の神経を守るための一時的な治療ですから、早く治療に行ってください。

 

B:急に右下が痛くなってきました。ズキズキしてきました。

 

A:そうですか。

仮の薬を虫歯のところに入れますが、顕微鏡で見ると、歯と薬の間にはすきまがあることが分かります。それでも、虫歯は取り終わっているので、痛みを感じることはありません。

すきまが大きくなるならしみることもありえますが、たいてい痛みが起こるのは、神経に炎症が起きるときです。それは、水分だけで起こるものではなく、神経のなかにばい菌が混ざってしまっているとか、神経にまで穴が空いているとか、いろいろな症状があります。

歯は、表面の白いところはエナメル質になっていて、その中には、象牙質になっています。

 

B:象牙質は聞いたことあります。

 

A:象牙質は実は、象牙細管という細かい管の集まりです。そこには液体が入っています。そこを伝って、ばい菌がなかに侵入するということもありえます。でも神経は生体ですから、防御反応ができます。たとえば、「ストレプトコッカスミュータンス」が1匹入ったとしても、神経のなかにも免疫反応があるので、撃退できます。神経のなかで血液のなかにいる「マクロファージ」がばい菌と戦うと、炎症という反応が起こり、痛いと感じるようになります。つまり、痛いと感じるということは、直近にいて戦おうとしているか、戦いがはじまっているということなのです。

 

B:戦闘状態なのですね。

 

A:すぐに治療するなら、間に合うこともありますが、間に合わない可能性もあり、危険です。ですから、そうなる前に治すことをすすめているのです。間に合わない可能性も高いので、炎症が起きて痛みが出る前に、治すことが大切です。

 

B:スピードが大事ですね。

 

A:それが一番大事です。しみているときは、温度を感じているだけなので、神経がまだ働いているということがわかります。ズキズキする痛みを感じるなら、炎症が起こりはじめているので、危険です。

最初の歯髄充血とか単純性歯髄炎の段階なら、まだ治すことができますが、悪化させてしまう前に、早く治療に行くことが肝心です。

 

B:身に染みて分かりました。年内には治療に行くようにします。

 

A:来週の放送までには、行くようにしてくださいね。

 

B:さて、お別れの時間となりました。この番組の感想なども、みなさんぜひお送りください。歯に関する疑問もあれば、メッセージをお待ちしています。

宛て先は、mail@kiku-fm779.com、または、ファックス072-843-8686までお送りください。お待ちしています。

 

A:ではまた来週もこの時間にお耳にかかりましょう。歯医者さんが教える歯の秘密。お相手はあゆみ歯科クリニック院長の福原隆久と住友未央でした。それでは、来週の木曜日、お昼1時30分、再放送は翌週の月曜日夜10時にお耳にかかりましょう。ごきげんよう。

 

B:歯医者さんが教える歯の秘密。この番組は、あふれる笑顔をすべての人に、あゆみ歯科クリニックの提供でお送りしました。