歯周内科

歯周病が進行しにくくなるために…

モニターを用いた顕微鏡検査によりお口の細菌の種類や数などを検査し、必要であれば、その細菌に合うお薬や歯磨き粉を用いて行う治療法です。モニターを利用する為、細菌を観察し治療前後の評価もできます。今までは、レントゲン検査のみで症状が起きた時に判断していましたが、顕微鏡検査により、症状が起こる前に判断し歯周病予防がより効果的になりました。歯周病が進行していない場合でも、除菌を行うことにより、これからの歯周病が進行しにくくなるため、予防法としても有効です。

歯周内科の治療方法

  1. 位相差顕微鏡による菌の確認

    顕微鏡でお口の中の菌の状態を確認することができ、歯周病菌がいるのかどういう状態になっているのかを観察いたします。患者様のお口の中の汚れをほんの少し採取し、それを顕微鏡で観察します。さらに映し出された動画像を拡大表示する機能を用いることで治療効果のよりわかりやすい説明を聞くことが可能です。位相差顕微鏡では、カンジダアルビカンス(カビ菌)、スピロヘータ(歯周病)、口腔トリコモナス(原虫)、歯肉アメーバ(原虫)などの菌を確認することができます。
    松井山手・八幡・京田辺 あゆみ歯科クリニックでは、この位相差顕微鏡を使用し、患者の皆様にわかりやすく歯周病についてご説明をさせて頂いております。歯周病でお悩みの方は、是非、あゆみ歯科にお越し下さい。

  2. 細菌の除去薬剤の内服

    お口の中のスピロヘータ(歯周病)の除去に効果を発揮します。ただし、強力なお薬なので、飲む必要があるのかどうかはしっかりとした診断が必要となります。
    あゆみ歯科クリニックでは、歯周病検査と顕微鏡検査の結果から、投与が必要かどうかを診断していきます。

  3. カビの除去薬剤あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き

    ヨモギ・アロエ・ひのきなどが成分で、安心安全な歯磨きジェル。お口の中のカンジダアルビカンス(カビ菌)の除去に効果を発揮します。

  4. 除菌後もしくは平行しての歯石とり

    従来の歯周病治療、歯石とりです。
    歯周内科治療と並行して行うことで、痛みや出血なく(歯肉の腫れがひいているため)より気持ちよく歯のおそうじ、クリーニングができるようになります。

再発を予防するには

  • 歯周病は細菌による感染なので、再感染に気をつけましょう。
  • 歯周病を起こす細菌が感染しにくいように、お口の中を清潔に保つようにこころがけましょう。歯石やカビ菌を定期的に除去して、毎日の適切な歯磨きをしましょう。
  • 歯周病を起こす細菌が再感染していないか、また、お口の中が再感染しやすい環境になっていないか、歯科医院での顕微鏡を用いた定期検診を受けるようにしましょう。また、回し飲みや回し食い、箸の使いまわし、キス、くしゃみなど空気中や食べ物、手や指から菌がお口の中に入り、歯周病を発症させる可能性があります。
歯周病が進行する前に、そのときのお口の状態に合わせ、
歯石を取ったり、場合によっては除菌して治すようにします。

歯周内科治療の効果

  • 口臭がなくなる

  • 歯磨きのときの
    出血がなくなる

  • ぶよぶよの
    歯ぐきがひきしまる

  • 歯がつるつるになる

  • 歯の動揺が改善する

  • 赤かった歯ぐきが
    ピンク色になる

  • ネバネバ感が消える

歯周病と全身疾患との関係性

歯周病と全身疾患との関係性挿入イメージ

歯周病は、歯肉や歯根膜、歯槽骨といった歯周組織に炎症などが生じる病気ですが、重症化すると全身疾患のリスクを上昇させることがあります。

歯周病菌が血流に乗って全身を巡る

歯周病を放置すると、歯周ポケットが深くなり、その中で歯周病菌が繁殖します。すると、歯茎の血管に歯周病菌の一部が入り込んで、全身を巡るようになるのです。その結果、さまざまな全身疾患を引き起こします。

動脈硬化

血液中にたくさんの歯周病菌や炎症性物質が存在すると、血管の壁が硬くなり、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は、高血圧の原因になるなど、さらに深刻な症状を招きます。

心筋梗塞・脳梗塞

動脈硬化によって硬く、狭くなった血管は、異物によって詰まりやすくなります。血管壁に形成されたプラークが剥がれて、血の塊である血栓(けっせん)になると、狭くなった血管を塞いでしまうのです。それが心臓の血管で起これば心筋梗塞、脳の血管で起これば脳梗塞へと発展します。

糖尿病

炎症性物質のひとつであるサイトカインの血中濃度が高まると、インスリンの効果が弱くなります。
インスリンは、血糖値を下げることができる唯一のホルモンであり、その働きが阻害されることによって、糖尿病の発症リスクが高まります。

早産・低体重児出産

妊娠中の方は、歯周病にかかりやすくなっています。
「妊娠性歯肉炎」という病名があるくらい、そのリスクは顕著に高まります。
また、歯周病菌や炎症性物質が子宮に到達すると、早産・低体重児出産を引き起こすことがあるため十分注意しましょう。胎盤や子宮の炎症性物質濃度が高まると、出産の合図だと勘違いして子宮筋の収縮などが生じるのです。その結果、早産・低体重児出産を招きくことがあります。

歯周病と全身疾患との関係性挿入イメージ

歯周病菌を誤って飲み込む

歯周病と全身疾患との関係性挿入イメージ

誤嚥性肺炎

ご高齢の方は、飲み込む力が弱くなり、誤嚥(ごえん)を起こす機会が増えます。その際、お口の中で繁殖した歯周病菌も一緒に気道へと飲み込んでしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。肺炎は日本人の死因の上位に位置する全身疾患なので、十分注意しなければなりません。

歯周病は早期発見・早期治療が大切

このように、歯周病は重症化させることでさまざまな全身疾患のリスクが上昇します。
ケースによっては、命にかかわる深刻な事態を招くこともあるため、早期に治療を受けましょう。軽度から中等度の段階で治療を始めれば、全身の病気のリスクを上昇させることも少なくなります。