• 豆知識

神経を抜く治療について

 神経を抜く治療についてです。神経を抜いた歯の中がきれいになっているかどうか、においで確認することがあります。もちろんにおいだけで判断するわけではありません。歯の根っこの根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)という病気があるのですが、それは虫歯が大きくなり、神経までばい菌が入ってしまったものです。痛くなるから神経を取ることになります。また、神経を取る治療としては、感染根管治療というものもあります。なにかの理由で神経が死んでしまったり、または治療が終わっていた歯の中に、膿がたまってしまっている場合です。1回神経を取って治した歯の平均予後というものがあります。次に何年経過すると、再度悪くなるのかですが、一生大丈夫というわけではありません。人によって平均何年かは違うのですけれど、何十年というものから、割と短い8年や9年というものもあるぐらいです。平均ではありますが、少なくとも一生ではないということを知っておく必要があると思います。

 また、神経を抜いたあとに、しっかりと冠をかぶせる前に治療を途中でやめてしまうと、結局次に痛くなったときには歯を残すことができなくなり、インプラントになってしまう場合もあります。ですので、神経取ったあと、仮ぶたもついているし、痛くなくなったことから、通院をやめてしまうのは避けていただきたいと思っています。神経を取った歯に冠をかぶせるところまでが、ワンステップの治療ということを忘れないようにしてくださいね。

 神経を取って根治をしていく仮定で、何度も薬の交換をしていかないとなりません。皆様の中にも、治療中に何回も歯科医に通院し、同じような治療をされるというイメージがあるのではないでしょうか。薬の交換を繰り返し、確実に神経を抜いた部分を殺菌しておかないと、次に保存薬を入れてかぶせ物をいれても、かんだり、たたいたりしたときに痛みを感じ、再びかぶせ物を開けることになります。そこは慎重に、時間と回数をかけていかないとなりません。必要であり重要な治療の仮定となっています。では、いつをもって治療終了となるのでしょうか。基本的には、もちろん患者様が痛みがない状態となるまでです。もちろん神経を取っているので、他の歯と比べて、なんらかの違和感を感じるのは構いませんが、少しかんだりたたいたりするだけで痛みを感じる間は、まだ治療が必要であり、薬交換を続けることになります。

 もともと歯の中が膿んで、そこで初めて根っこの治療となります。ばい菌はそもそも臭いので、仮ぶたの途中などで、やはり歯周病のにおいと同じような腐敗臭がする場合があります。そのときは、いくら痛みがないから大丈夫、と患者様が言われても、もう一回かぶせ物を開けて薬交換をしておこう、という判断をします。においに頼るわけではありませんが、少なくともにおいがする間は、薬交換は必要である、という判断材料の一つにはなっています。