子どもの歯は、大人の歯に比べて虫歯にかかりやすくなっています。それは歯質そのものの特性でもあり、それに加えて食生活や発育途上という要素も存在していますので、大人以上に虫歯予防を徹底しなければいけません。ここではそんな子どもの虫歯予防について詳しく解説します。

 

１．乳歯は虫歯になりやすい？

乳歯は永久歯よりも歯質が薄いです。具体的には、エナメル質も象牙質も永久歯と比べて未熟な状態となっていますので、外来刺激への耐性が低いのです。ですから、虫歯菌への感染が起こりやすいだけでなく、酸性飲料などの刺激にも敏感になっていますので注意が必要です。

 

２．乳歯が虫歯になる原因

乳歯が虫歯になる原因は、以下のように複数挙げられます。

 

２-１　ブラッシングが不十分

歯磨きというのは、意外に繊細な操作が要求されるものですので、お子さまが完璧なブラッシングを行えるということはまずありません。ですから、まだ幼い年齢のお子さまに対しては、親御さまによる仕上げ磨きを推奨しています。そうしなければ、必ずといって良いほど、磨き残しが生じるからです。さらに注意すべきなのは、仕上げ磨きを卒業したお子さまで、適切なブラッシング法を実践できるようになっていないと、乳歯はあっという間に虫歯になります。

 

２-２　間食が多い

お子さまが好む食事は、砂糖が豊富に含まれた甘いものが多いです。これらを間食として頻繁に摂取していると、口腔内に虫歯菌のエサが残留することとなり、虫歯を発症します。そこで、間食の回数やタイミングなどは、親御さまがすべて管理しましょう。また、間食をしたあとは歯磨きをする習慣を身に付けることが大切です。

 

２-３　親から虫歯がうつる

意外に多いケースとして、親御さまの虫歯がお子さまにうつることがあります。もちろん、それが親御さまからうつった虫歯であるということは、厳密に調べられないのですが、傾向として、親御さまに虫歯があると、お子さまも虫歯を発症しやすくなっているのです。ですから、お子さまの虫歯予防を徹底するのであれば、まず親御さまが虫歯にかからないようにしなければならないといえます。

 

３．歯科医院で行える虫歯予防

上述した内容は、お子さまや親御さまが日常生活の中で実践できる虫歯予防でしたが、ここからは歯科医院で受けることのできる虫歯予防処置についてです。

 

３-１　ブラッシング指導

お子さまおよび親御さまは、歯科医院におけるブラッシング指導をもとに、日々の歯磨きを行ってみてください。歯科医院では仕上げ磨きの方法についても丁寧にお伝えしていますので、参考になるかと思います。

 

３-２　フッ化物塗布

最近は、歯磨き粉の中にフッ素が配合されたものが増えてきましたが、歯科医院で受けることのできるフッ化物塗布は、歯科医師だからこそ扱える高濃度のフッ素ですので、歯質強化の効果も非常に高くなっています。そんなフッ化物塗布を定期的に受けることで、お子さまの虫歯予防も確実になっていきます。

 

３-３　シーラント

お子さまの虫歯が発生しやすい部位に、奥歯の溝があります。奥歯の溝には食べ物のカスやプラークがたまりやすく、歯質の弱い乳歯にとっては要注意の部位です。そこをシーラントと呼ばれるプラスチックで埋めることで、虫歯になりにくくするのです。

 

４．まとめ

このように、子どもの虫歯予防は、自宅でできることと歯科医院でできることの2つがあります。どちらも継続していくことで、虫歯を予防できる可能性も高まっていきますので、是非とも併用してください。特に歯科医院での虫歯予防処置は効果が高くなっており、定期的に受ける意義も非常に大きいといえるでしょう。