歯磨き粉の種類と効果
市販されている歯磨き粉には沢山の種類があり、その効果も様々です。虫歯予防に特化したものもあれば、歯周病の症状を改善する効果が期待できるものもありますので、今現在、それぞれが抱えているお口の悩みに応じて、最適な歯磨き粉を選ぶことが大切です。ここではそんな歯磨き粉の種類と効果について詳しく解説します。
1・歯磨き粉の成分は2つに分けられる
歯磨き粉の成分には「基本成分」と「薬用成分」があり、基本成分のみのものは化粧品と呼び、基本成分にプラスして薬用成分が配合されたものを医薬部外品と呼んでいます。これは薬事法によって決められています。
2.歯磨き粉の基本成分とは
歯磨き粉の基本成分には、次に挙げる6つが含まれています。
2-1 清掃剤
清掃剤は、研磨剤とも呼ばれることがある成分で、歯の表面に沈着した歯垢(プラーク)や着色汚れ(ステイン)の除去といった効果が期待できます。具体的な成分としては、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸(シリカ)などが挙げられます。
2-2 発泡剤
発泡剤は、歯磨き粉を泡立てることで口腔内に拡散させ汚れを除去する効果が期待できる成分で、ラウリル硫酸ナトリウムなどが代表的です。
2-3 湿潤剤
湿潤剤は歯磨き粉に水分を与え、口内での操作性を向上させる効果が期待できる成分で、ソルビトール、グリセリンなどが有名です。
2-4 粘結剤
粘結剤は、歯磨き粉に適度な粘性を与えて操作性をよくする効果が期待できる成分です。具体的には、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロスナトリウム、カラギーナなどが挙げられます。
2-5 香味剤
香味剤は、歯磨き剤に味や香りを付けることにより歯磨き後の爽快感を与える効果がある成分で、ミント、メントール、サッカリンナトリウムなど代表的です。
2-6 保存料
保存料は、歯磨き剤の変質を防ぐためのもので、安息香酸ナトリウムなどがよく使われます。
3.歯磨き粉の薬効成分とは
歯磨き粉の薬効成分には、次に挙げる6つが含まれています。
3-1 フッ化物
フッ化物は、歯質を強化し虫歯の予防や、初期虫歯の再石灰化による歯質の修復といった効果が期待できる成分です。フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなどが代表的です。
3-2 ミネラル
ミネラルは、歯の再石灰化に必要な成分で、虫歯予防に寄与します。具体的には、リン酸カルシウム、マグネシウム、リカルデントなどが挙げられます。
3-3 塩化ベンザルコニウム・塩化セチルピリジニウム
塩化ベンザルコニウムや塩化セチルピリジニウムは、殺菌効果のある成分で歯周病の予防に寄与します。
3-4 ポリリン酸ナトリウム・硝酸カリウム・乳酸アルミニウム
ポリリン酸ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムなどの成分は、知覚過敏症になった歯面を一時的に保護してしみるのを防ぐ効果を発揮します。
3-5 塩化ナトリウム・塩化クロルヘキシジン
塩化ナトリウムや塩化クロルヘキシジンは、歯垢を分解して歯面から浮かせて落としやすくする効果を発揮する薬効成分です。
3-6 デキストラナーゼ
デキストラナーゼは、歯垢が歯石化して歯面に沈着するのを予防する効果がある薬効成分です。
ここでご紹介したものは、一般的に市販されている歯磨き粉によく使われている成分です。その他にも、天然由来成分を配合した歯磨き粉などもオーガニック専門店などで取り扱われていることもあります。それぞれの用途に合わせて選択しましょう。
4.まとめ
このように、歯磨き粉には虫歯予防だけでなく、歯周病予防や知覚過敏症に効果のあるもののなど、その効果は実に幅広いです。それだけに、個々人の用途に合った最適な歯磨き粉を選ぶ必要があるといえます。