• 虫歯・歯周病

CO、C1、C2、C3、C4の違いは

虫歯は進行度に応じて5段階に分類することができます。それぞれに異なる治療法が適応されますので、分類については細かく知っておくと、治療を受ける際に役立ちます。ここではそんな虫歯の分類について、症状や治療法の違いを中心に解説していきます。

 

1.虫歯の分類と治療法

虫歯の進行度は、CO、C1、C2、C3、C4の5段階に分けられ、それぞれに対する治療法も異なります。

 

1-1 初期の虫歯(CO)

▽初期虫歯の症状

初期虫歯では、歯の表面に穴はあいていません。舌で触っても違和感はないのですが、視覚的には白濁していたり、ツヤがなくなっていたりします。痛みやしみるなどの自覚症状はありません。

 

▽初期虫歯の治療法

初期虫歯は、基本的に歯を削るようなことはしません。フッ素を塗布するなどして歯の再石灰化を促し、健康な状態に戻すことを目標にします。

 

1-2 エナメル質の虫歯(C1)

▽エナメル質の虫歯の症状

エナメル質だけに留まった虫歯では、表面に浅い穴があいています。基本的に、痛みやしみるなどの自覚症状はありません。

 

▽エナメル質の虫歯治療

虫歯菌に感染したエナメル質を削り取り、レジンなどで修復します。

 

1-3 象牙質まで進行した虫歯(C2)

▽象牙質の虫歯の症状

象牙質まで進行した虫歯は、深い部分まで穴があいています。また、痛みを感じたり、冷たいものがしみたりすることが多くなります。

 

▽象牙質の虫歯治療

虫歯菌に感染したエナメル質および象牙質を削り取ります。病変部が小さければ、レジンを充填するだけで十分ですが、病変部が大きい場合は、インレーと呼ばれる比較的大きな詰め物を装着することとなります。

 

1-4 神経まで進行した虫歯(C3)

▽神経まで進行した虫歯の症状

虫歯菌が神経まで進行すると、激しい痛みを伴います。また、冷たいものを飲んだ時にしみることが多くなったり、安静時にも痛みを感じる自発痛(じはつつう)が生じたりするようになります。

 

▽神経まで進行した虫歯の治療法

虫歯菌に感染したエナメル質および象牙質を削り取り、歯の神経を抜きます。その後、歯の根っこの治療を行い、レジンや金属でできた被せ物を装着します。

 

1-5 歯の根っこだけ残った虫歯(C4)

▽残根の症状

虫歯が重症化すると、歯の根っこの部分以外は全て侵食され、崩壊します。これを残根(ざんこん)といいます。残根状態になると、歯の神経は死んでいますので、痛みを感じることはありません。けれども、その状態で放置すると細菌感染がさらに根っこの方にまで進み、膿がたまったり、痛みが再発したりすることがありますので注意が必要です。

 

▽残根の治療法

残根状態になると、通常の虫歯治療では効果が期待できなくなるため、抜歯をすることがほとんどです。

 

2.歯医者嫌いは損をする?

このように虫歯治療というのは、虫歯の進行度によって大きく異なります。上述したように、早い段階で治療を受ければ、それだけ残せる歯質も多くなり、歯の寿命も長くなりますので、早期の受診をお勧めします。歯医者嫌いでなかなか一歩踏み出せずにいる人は、虫歯が進行していくプロセスを思い浮かべてみてください。虫歯は時々刻々と悪化していきます。また、一度失われた歯質はもう二度と取り戻すことはできないのです。

 

3.まとめ

一般の患者さんがここまで細かく虫歯の進行について理解しておく必要はありませんが、何となく頭に入れておくことで、受診のきっかけになるかと思います。とくに早期の段階では自覚症状も乏しいので、違和感を覚えたらまず歯科医院を受診してみるというスタンスでも問題はないかと思います。もちろん、定期的に健診を受けることでも早期発見は可能です。