歯は骨じゃない?エナメル質と骨の意外な違い

鏡で自分の歯を見てみると、「白くて硬いから骨みたい」と思ったことはありませんか?実際、多くの方が「歯=骨」と考えがちです。しかし、歯と骨は似ているようで全く違う組織なんです。今回は、知っているようで知らない「歯と骨の違い」について解説します。
目次
歯の表面は人体で一番硬い「エナメル質」
歯の一番外側を覆っているのが「エナメル質」。これは人間の体の中で最も硬い組織で、鉄やガラスにも負けないほどの硬さがあります。食べ物を噛んでも歯が簡単に削れたり欠けたりしないのは、このエナメル質のおかげです。
一方で、このエナメル質には「血管」や「神経」がありません。そのため、削れたり虫歯で失われたりしても、自分で再生することはできないのです。
骨は「生きている組織」
骨にはたくさんの血管が通っており、栄養や酸素が常に運ばれています。さらに、骨は新しく作られたり古い骨が壊されたりを繰り返しながら生まれ変わる「代謝」があります。ケガをして骨折しても自然に治るのは、この働きがあるからです。
つまり「再生できる骨」と「再生できない歯(エナメル質)」という大きな違いがあるのです。
歯の中には「骨に似た部分」もある
「じゃあ歯は全部が再生できないの?」と思われるかもしれません。実は、歯の内部には「象牙質」や「セメント質」と呼ばれる層があり、これは骨に性質が似ています。エナメル質に比べると柔らかく、刺激に反応して少しずつ修復しようとする働きもあります。
とはいえ完全に元通りになるわけではないため、やはり歯を大切に守ることが基本です。
歯と骨の違いを簡単に整理すると…
・エナメル質(歯の表面):血管なし → 再生しない
・骨:血管あり → 自然に修復できる
・象牙質・セメント質(歯の内部):骨に似ているが修復力は弱い
こうして比べてみると、見た目は似ていても全く違う組織だとわかりますね。

だからこそ予防が大切!
骨は折れても治りますが、歯のエナメル質は一度失うと元に戻りません。虫歯や歯の摩耗を防ぐためには、毎日の歯みがきやフッ素の利用、そして定期的な歯科検診が欠かせません。
特に「歯ぎしり」や「酸の強い飲食物」はエナメル質を傷つける大きな原因になるため注意が必要です。
まとめ
歯は骨のように硬いけれど、実は骨とはまったく別の組織です。
・骨:血流があり、生まれ変わりながら強さを保つ
・歯:表面は再生できず、守るしかない
「歯は一生もの」とよく言われますが、それは骨のように再生できないからこそ。今日から少しでも意識して、大切な歯を守っていきましょう。


医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック
理事長 福原 隆久 監修










