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抜歯後の腫れと対策について

親知らずの抜歯は、多くの方にとって避けては通れない道です。しかし、抜歯後の腫れに関する懸念が、患者さんの不安の大きな原因となっています。特に、歯が横向きに生えている場合の抜歯は、その複雑さから腫れや痛みが強く出やすいとされています。ここでは、親知らずの抜歯における腫れのメカニズム、ピーク時期、影響範囲、そしてこれらを最小限に抑えるための準備と対策について、詳しく解説いたします。

1. 親知らず抜歯後の腫れの理解とピーク時期
親知らずを抜歯する際、特に横向きに生えているものは歯茎や骨を切開・削除する必要があるため、体の自然な炎症反応によって腫れが発生します。この腫れは抜歯後3日目にピークに達することが多く、その後徐々に収まりますが、完全に回復するまでには約1週間を要します。この期間中は、大きなイベントや旅行の計画は避けた方が賢明です。

2. 腫れの影響と対応
腫れの程度は人によって異なり、アゴのエラ部分から頬や目の下にかけて広がることもあります。大きく腫れると食事の摂取が困難になるため、栄養価の高いゼリーなどの摂取が推奨されます。また、腫れが強くなると痛みも増すため、鎮痛剤による痛みの管理が重要です。

3. 腫れを最小限に抑えるための事前準備
親知らずの抜歯前には、口腔内を清潔に保つこと、体力の維持、既存の腫れの管理を行うことが、抜歯後の腫れを最小限に抑える鍵となります。特に、口腔内の清潔さは、抜歯時の感染リスクを減らすために極めて重要です。

4. 抜歯後の腫れへの対処法
抜歯後は痛み止めの服用をおすすめしますが、腫れてしまった場合は24時間以内に腫れた部分に氷や冷えピタ等を用いての冷却、うがいの控えめな実施(抜歯直後は傷口からの出血が目立つため繰り返しのうがいは控えましょう)、喫煙とアルコールの摂取制限が推奨されます。これらの対策は、腫れと痛みを軽減し、回復を早めるために有効です。

当院では、抜歯をより安全に行うために、必要に応じてCT撮影を実施し、正確な歯の位置を把握しています。また、特に難しいケースには、大学病院への紹介状を発行するなど、患者様の安全と快適さを第一に考えた対応を心がけています。親知らずの抜歯を検討されている方は、これらのポイントを参考に、不安を解消していただければと思います。

 

監修:あゆみ歯科クリニック松井山手 院長 歯学博士 福原隆久