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神経が無くなると歯はこんなことに!?生活歯と失活歯について

「生活歯」「失活歯」という言葉を聞いたことはありますか?
生活歯とは歯の中の神経が「生きている」歯、失活歯は逆に神経が「失われている」歯になります。一般的に歯の神経とは、硬い歯の内部にある神経・血管・細胞が集まった「歯髄」という組織を慣例でそう呼んでいるもので、歯髄の有無が生活歯と失活歯の区分けになります。

では、それぞれにどういった違いがあるのでしょうか?
生活歯は歯髄が活動しており、歯の外からの刺激を感じる、歯の中から歯の成分を作るといった役割を歯髄が担っています。外からの刺激に対して歯を守ろうとすることで、歯の寿命を長く保っているのです。
失活歯は虫歯や歯の破折などから歯髄への感染の結果として生じることが多いです。枯れ木のように変色が生じやすく、柔軟性が失われ割れやすいといわれています。
なので、生活歯をなるべく残す方が、将来的に歯をたくさん残すことができ、口全体の健康を長く保てると言えるでしょう。

 生活歯と失活歯では、それぞれ虫歯になったときの治療方法が異なります。
 生活歯では、なるべく歯髄を残すため、最小限に虫歯を除去するよう治療を行います。小さい虫歯ならコンポジットレジンというプラスチックを詰めたり、大きい虫歯ならインレーという詰め物を形取りしてから詰めたりします。
失活歯は内部の感染を取り除く必要があります。根管治療で感染を除去してから、歯髄があった場所に防腐剤を詰め、その上に土台・かぶせ物を作っていきます。感染を除き、かぶせ物で補強することで、失活歯となっても長く使えるよう治療を行っているわけです。

 もちろん、私たち歯科医師は歯を治療する際にはなるべく歯髄を残せるよう尽力しています。しかし、歯髄の痛みが激しく歯髄を除去する必要があったり、既に歯髄が感染・壊死していることもあります。生活歯でも失活歯でも、適切な治療を行うことで歯を長く保つことができますので、歯の状態や治療法について不安があるときは歯科医師に適宜ご相談していただければと思います。

あゆみ歯科クリニック 歯科医師 野田大介