本当に“硬いものを噛むと歯が丈夫になる”?歯科医が徹底検証!

「昔から、スルメや堅焼きせんべいを食べると“歯が丈夫になる”って聞いたことがあるけど、本当なの?」そんな素朴な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実はこの話、半分は正解、でも半分は間違いでもあります。
今回は歯科医の視点から、“硬いもの”が歯に与える影響についてわかりやすく解説していきます。
目次
噛むことは「歯そのもの」よりも「周囲の組織」に効果アリ!
まず前提として、「噛む」という行為自体にはたくさんのメリットがあります。
噛むことで得られる代表的な効果:
唾液の分泌が促進され、虫歯・歯周病の予防に
顎の筋肉が刺激され、咀嚼力や顔の表情筋の維持につながる
脳の血流が促され、記憶力や集中力にも好影響
子どもの場合は、顎の成長を助ける効果もある
つまり、「噛む=良いことづくめ」なのは確か。
ただし、「硬ければ硬いほどいい」というわけではないのです。
「硬いもの=歯が丈夫になる」という“勘違い”
多くの人が信じている「硬いものを食べると歯そのものが強くなる」というイメージ。
実はこれ、少し誤解を含んだ話です。
なぜかというと…
歯は“筋肉”ではないため、鍛えることはできません。
硬すぎる食品は、歯や詰め物、被せ物を破損するリスクがあります。
歯ぐきが弱っている方、高齢者、治療中の方には逆効果になることもあります。
つまり、「噛むこと」は良いけれど、「硬すぎるもの」は逆に歯を壊すリスクがあるということです。
注意!こんな硬い食品はトラブルのもとに
硬いものすべてが悪いわけではありませんが、以下のような食品には要注意です。
歯科医が注意を促す“硬すぎる”食品の例:
氷をかじる
スルメや煮干しをそのまま丸かじりする
フランスパンの耳を一気に噛みちぎる
堅焼きせんべいを奥歯で一気に砕く
骨付き肉の骨を噛む癖がある
特に、詰め物・被せ物がある人や、歯にひびが入りやすい中高年層は注意が必要です。

歯科医がすすめる“噛むトレーニング食品”とは?
「では何を噛めばいいのか?」という方のために、歯や顎にちょうどよい“噛みごたえ”のある食べ物を紹介します。
噛む力を育てるおすすめ食材:
ごぼう、れんこん、にんじんなどの根菜類(加熱調理がおすすめ)
枝豆、大豆、ナッツ類(歯で割らず、ひとつずつよく噛む)
ひじきやきんぴらなどの和惣菜
するめよりも柔らかい乾燥小魚
雑穀ごはん(玄米やもち麦など)
硬すぎず、しっかり噛む必要がある食材を取り入れることで、咀嚼力を育てつつ、歯や歯茎に過剰な負担をかけずに済みます。
「硬さ」よりも「よく噛む習慣」が歯の健康を左右する!
結論として、「歯を丈夫にする」のは硬さではなく、よく噛むという“習慣”そのものです。
・1口につき30回噛む
・急がず、リズムよく咀嚼する
・片側ばかりで噛まず、左右均等に使う
こうした小さな意識が、虫歯・歯周病予防、噛む力の維持、顎のバランスの改善、認知症予防などにつながっていきます。
まとめ:やみくもに「硬いもの」はNG!噛み方がカギ

「硬いもの=歯にいい」という考え方は一部正解ですが、すべての人に当てはまるわけではありません。
特に次のような方は注意が必要です。
被せ物・詰め物が多い方
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
高齢の方や歯周病のリスクがある方
矯正治療中、インプラント治療中の方
自分の歯の状態に合わせて、無理のない“噛む習慣”を身につけることが大切です。
気になることがあれば、ぜひ歯科医院でご相談ください。

医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック
理事長 福原 隆久 監修










