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乳歯と永久歯で変わります!乳歯と永久歯による治療の違い

皆さんは乳歯と永久歯の治療は同じものだと考えていますか?
実は乳歯と永久歯でそれぞれ少し治療法が異なるんです。それを分かりやすく今からお伝えさせていただきます^^

まず、乳歯に対する虫歯治療の前提として、乳歯の虫歯を治療することも大切ですが、 永久歯の萌出を阻害しないこと、乳歯が正常な時期に脱落する事、 永久歯の生えるスペースを維持する事を考えなくてはなりません。そのため、基本的に重要度は乳歯<永久歯となります。

まず、虫歯治療に対してですが、永久歯は虫歯を削ってCRという白い詰め物をするか、銀の詰め物をしていきます。ですが、もうすぐ抜けるであろう乳歯に対しては、積極的に虫歯治療をしないことも多いです。 虫歯を治療してもすぐ抜けるのであれば、抜いてしまったほうが効率的な場合もあります。

次に根っこの治療に対してですが、通常の永久歯では、根っこの治療の最後にガッタパーチャー(最終的な保存薬)を詰めていきます。ガッタパーチャーは溶けたりしないものですが、乳歯の根っこにガッタパーチャーを詰めると、永久歯の萌出を阻害してしまう可能性があります。そのため、乳歯の根っこの治療は吸収性の軟らかい材料を詰めることになります。軟らかい材料では、根っこの治療の本来的な意味の、緊密に根っこを充填して細菌の感染を防ぐことを完全に行うことはできないので理想的ではありませんが、永久歯が正常に生えてくることをより優先します。また、根っこの治療の後の処置も、永久歯の萌出を阻害しないためという同様の理由で、土台であるコアを入れることはしません。また、根っこが完全に完成していない幼若永久歯は、結果として根尖まで緊密に充填することは不可能なので、 根っこが完成した後に根っこの治療をやり直す前提で、暫間的な材料を詰めます。 この材料は、乳歯の根っこの治療をする際に用いる材料と同様の材料を用いることが多いです。

次に、乳歯や永久歯がなくなった場合ですが、永久歯の場合はブリッジなどの処置を行います。乳歯にはこれらのブリッジなどの処置は基本的に行いません。永久歯の萌出を阻害してしまったり、乳歯の正常な時期の脱落を阻害してしまう恐れがある為です。しかし、乳歯が早期に脱落してしまい、欠損した場合は永久歯の生えるスペースが無くなってしまうことがあるため、スペースを確保する装置を入れる必要があります。小さい装置としては、インレーループと呼ばれる、銀歯にループ状の物を付け、移動しないようにつっかえ棒のような装置があります。欠損した範囲が大きい場合は、もっと大きな装置が必要になることもあります。

これまでで3つの治療を述べましたが、これを聞くと乳歯は虫歯になっても永久歯が生えてくるからそこまで問題ないと思うかもしれませんが、管理を疎かにしてしまうと、永久歯にも悪い影響を与えてしまうので、小児の頃からの管理が非常に重要になってきます。

お子さんから大人までの全ての歯を健康的でいられるように守っていけたらなと思いますので、何かわからないことがあれば、お気軽に当院のドクター、スタッフにお尋ねくださいね^^

医療法人隆歩会あゆみ歯科クリニック 歯科医師 小椋