豆知識
トップ豆知識>虫歯・歯周病

豆知識

歯を磨かなくても虫歯にならない人がいるのですが、体質によるものなのでしょうか??

おそらく皆さまの身の回りにも1人はいらっしゃるかと思いますが、世の中には歯磨きを怠っても、なかなか虫歯にならない人が存在します。これは虫歯になりやすい人にとっては、とても羨ましいことですよね。そこで、虫歯にかかりにくい人がいる理由について詳しく解説します。

 

1.虫歯は感染症

 

虫歯にかかりにくい人が存在する理由については、まず虫歯という病気が感染症の一種であることを念頭に置く必要があります。つまり、ミュータンス菌などを始めとする虫歯菌に一切感染しなければ、そもそも虫歯を発症することはないのです。

 

2.虫歯にならない人は虫歯菌に感染していない?

 

さて、虫歯は虫歯菌に感染することで生じる病気ですが、歯を磨かなくても虫歯にならない人というのは、虫歯菌への感染が起こっていないのか、知りたいところですよね。この点に関しては、実際の研究資料や統計データなどが存在しないため、確実なことはいえませんが、一般的な人よりも口腔内に生息する虫歯に関する細菌が少ないことは確かです。結局、虫歯を今現在、発症しているか否かに関係なく、ほとんどの人の口腔内には虫歯菌が生息しているからです。いわゆる常在菌と呼ばれるものですね。これらは病気発症の有無に関わらず、沢山の種類が生息しています。

 

3.虫歯菌が生息しても虫歯にならない?

 

では、ほとんどの人のお口の中に虫歯菌が生息しているにもかかわらず、虫歯を発症する人間が一部なのはなぜなのか。それは虫歯菌が病原性を示すほど増殖した際に、虫歯を発症するからです。ですから、常在菌として存在しているレベルでは、必ずしも歯質を溶かすような病原性を発揮することはないといえるのです。

 

4.虫歯になりにくい人の特徴

 

歯磨きをしなくても、虫歯になかなかならないという人は、主に2つの理由が考えられます。

 

4-1 歯質が強い

 

歯の表面には、エナメル質と呼ばれる人体で最も硬い組織が存在し、咀嚼機能を担っています。このエナメル質は、硬い食品を砕けるほど丈夫にできているのですが、酸に対する耐性は低いのが特徴です。ですから、虫歯菌が産生する酸だけでなく、お酢や清涼飲料水のような酸性の強い食品を口に含むことでも溶けだすことがあります。そういった意味で、歯質の耐酸性能が高い人は、歯を磨かなくても虫歯になりにくい傾向にあるといえます。

 

4-2 唾液の殺菌作用が強い

 

唾液には、虫歯菌などを殺菌する作用やその働きを抑える抗菌作用などが備わっています。これらが体質的に強い人は、歯を磨かなくても虫歯になりにくい傾向にあります。普段から唾液の分泌量が豊富であれば、食後も食べかすなどが洗い流されますし、絶えず殺菌作用や抗菌作用が働いていますので、虫歯菌の増殖も抑えられることとなります。

 

5.虫歯にならない人はいない?

 

ここまで、歯磨きをしなくても虫歯になりにくい人の話をしてきましたが、「一切歯磨きをしなくても虫歯にならない人」がいるかどうかは別の話です。そもそも歯磨きを数日怠るだけでも、虫歯ではなくその他の異常が現れてきますし、それを実践することは不可能といえます。ただ、本当に虫歯にならない人がいるとしたら、それは口腔内に一切の虫歯菌が存在していないことを意味します。

 

6.まとめ

 

このように、虫歯になりやすいかなりにくいかは、ある程度、体質や歯質によって決まっています。生まれながらに虫歯になりにくい人は羨ましくもありますが、いずれにせよ歯磨きを怠ることはできません。歯磨きを怠れば、虫歯よりもさらに深刻な病気を誘発するリスクもあるからです。

同じ歯が虫歯になるのですが、これは被せ物のせいでしょうか??

患者さまの中には、同じ歯の虫歯治療を何度も受けているという方がいらっしゃいます。いわゆる二次う蝕と呼ばれる再発性の虫歯で、それほど珍しいことではありません。ただ、あまりにも回数が多いとなると、必ず何らかの原因があります。ここではそんな虫歯の再発について、詳しく解説します。

 

1.どうして虫歯が再発するのか

 

虫歯というのは一種の感染症ですので、治療の際には全ての感染源をきれいに取り除かなければなりません。つまり、虫歯菌の取り残しがあった場合には、どんなに素晴らしい被せ物を装着しても、再び虫歯が発生することとなります。

 

2.虫歯の取り残してしまう理由

 

虫歯菌というのは、肉眼で確認することはできません。ただ、う蝕検知液などを用いることで、虫歯菌に汚染されている部分を可視化することは可能です。ただ、それも完全な方法ではないため、虫歯治療というのはそもそも、目に見えない病変を治す治療法といえるのです。そのため、ケースによっては汚染された歯質の取り残しが起こります。

 

3.取り残しを回避するためには沢山削るしかない

 

虫歯に汚染された歯質を残すことは、虫歯の再発を引き起こすことにつながりますので、基本的に悪いことです。ただ、多くの場合、そういった取り残しは、できるだけ患者さまの歯質を残そうと努力した結果、生じてしまうものなのです。ですから、必ずしも手を抜いた治療であるわけではないことを知っておいてください。というのも、取り残しを回避しようと思えば、沢山の歯を削れば良いのです。汚染された歯質と健全な歯質のギリギリのラインをせめるのではなく、とにかく大幅に切削することで、二次う蝕は防げます。ただし、失われる歯質の量も多く、必要となる補綴処置も大掛かりなものとなるというジレンマが生じます。

 

4.被せ物の適合が悪い

 

虫歯治療の際の被せ物が適合の悪いものだと、歯と補綴物との間に隙間などが生じます。そこから唾液などを介して虫歯菌が侵入し、虫歯の再発を引き起こすことがあります。このケースでは、虫歯の取り残しが原因ではありませんので、問題となっているのは補綴物の精度といえます。適合の悪い補綴物はかみ合わせにも悪影響を及ぼすことがあるため要注意です。

 

5.セルフケアに問題があるケース

 

非常に稀ではありますが、同じ歯が繰り返し虫歯になる原因として、セルフケアが不十分であることも考えられます。普段から磨き残しの多い場所であったり、歯の位置や構造上、不潔になりやすい部位であったりすると、セルフケアが十分に行き届かず、繰り返し虫歯を発症することがあります。そういったケースでは、該当している歯のケア方法を一から見直し、清潔に保てるよう努める必要があります。

 

6.歯科医院を変えるのもひとつの手

 

同じ歯科医院で治療を受けていて、繰り返し同じ歯が虫歯になる場合は、別の歯科医院で治療を受けてみても良いかもしれません。別の歯科医院であれば、歯の削り方や補綴物の作り方なども変わりますし、もしかしたら良い結果が得られるかもしれません。あるいは、セカンドオピニオンを求めるだけでもその原因がわかるかもしれません。

 

7.まとめ

 

このように、同じ歯が繰り返し虫歯になるケースには、毎回虫歯の取り残しがあったり、補綴物に問題があったりとさまざまです。その原因を特定するのはなかなか難しいかもしれませんので、まずは別の歯科医院を受診して、アドバイスをもらうと良いかと思います。セカンドオピニオンを求めることは、患者さまの権利でもありますので、そういった仕組みも活用しながら、病気の原因を探っていきましょう。

喫煙と虫歯は何か因果関係はありますか??

喫煙習慣は、体に多くの悪影響が及ぶことが知られていますが、口腔内においてはどうなのでしょうか。とくに虫歯との関連が気になるところですよね。ここではそんな喫煙と虫歯との因果関係について詳しく解説します。

 

1.喫煙による口腔内への悪影響

 

毎日複数本のタバコを吸う習慣がある人は、口腔内にいろいろな悪影響が及ぶことがあります。

 

1-1 歯茎の血流が悪くなる

 

喫煙習慣があると、歯茎をはじめとした口腔粘膜の血流が悪くなります。その結果、歯茎の免疫力が低下し、歯周病を誘発するようになるのです。歯周病では、歯茎の腫れや歯茎からの出血といった症状が現れます。ただ、喫煙が歯周病の主な原因となっている場合は、血流の悪化が著しいため、歯茎からの出血が抑えられるという逆の現象が見られることがあります。

 

1-2 歯茎に着色が生じる

 

ヘビースモーカーの方は、歯茎の色を見れば一目瞭然です。タバコに含まれるヤニなどの成分が歯茎に着色をもたらし、黒ずんでくるからです。歯茎が黒ずんでしまうと、その色から健康状態を把握にしにくくなるため、口腔衛生上、良い状態とはいえません。

 

1-3 口腔乾燥を引き起こす

 

普段からタバコを吸っている人は、口腔内が乾燥しがちです。タバコの煙が口腔内に充満しているだけでなく、唾液腺の機能も低下するため、ドライマウスの症状が強く現れるのです。また、それに関連して、口臭がきつくなる傾向にもあります。

 

2.虫歯との因果関係について

 

ここまで、喫煙習慣によって口腔内に及ぶ悪影響を詳しく解説してきましたが、このうち、口腔乾燥という点が虫歯の発生リスクを高める要素と言えます。

 

2-1 唾液による抗菌作用が低下する

 

唾液には、虫歯菌を始めとした口腔内の細菌にたいする抗菌作用や殺菌作用があります。ですから、正常に唾液が分泌されている人は、それだけで虫歯予防の効果が発揮されているといえるのです。それがもし、喫煙による唾液腺機能の低下が起こったらどうなるでしょうか。口腔内は乾燥し、虫歯菌等が増殖しやすい環境へと変わってしまうのです。

 

2-2 虫歯菌が増殖して虫歯のリスクが高まる

 

虫歯というのは、一種の感染症です。歯の表面に付着した虫歯菌が一定数以上増殖すると、歯質が抵抗しきれなくなり、虫歯を発症します。その結果、虫歯菌が産生した酸によって歯質が溶かされ、病態が進んでいくこととなります。ですから、喫煙による口腔乾燥はある意味間接的で歯ありますが、虫歯の発症に関連しているといえるのです。

 

3.禁煙するのが最善の策

 

虫歯を予防するという観点に立つのであれば、喫煙は今すぐにでもやめるべきだといえます。喫煙をしていて、口腔内に良い影響が及ぶことは一切ありません。むしろ、歯周病や虫歯のリスク因子となるだけでなく、全身疾患を誘発するきっかけにもなりますので、できることなら禁煙することをおすすめします。今現在、虫歯や歯周病にかかっている人でも、喫煙を継続している以上、なかなか治癒しませんので、治療を始める段階で禁煙を推奨する歯科医師がほとんどだといえます。

 

4.まとめ

 

このように、喫煙習慣と虫歯には直接的ではないにしても、因果関係が存在しますので、虫歯が気になるという方は、すぐにでも禁煙をすることが望ましいです。禁煙をすることで、これまで蓄積してきた口腔内への悪影響や肺に対するダメージも解消していくことが可能ですので、1日でも早く喫煙をやめることをお勧めします。ちなみに、歯茎に沈着した喫煙による汚れも、歯科で処置を施すことによって取り除くことが可能です。

口臭と虫歯は関係があるのですか?

口臭の原因の多くは口腔内にあります。歯周病が強い口臭の原因となったり、舌の表面に堆積した舌苔(ぜったい)がニオイの原因になったりすることは有名ですね。それに加えて虫歯も口臭の原因になり得ます。ここではそんな虫歯と口臭の関係について詳しく解説します。

 

1.虫歯で口臭が発生する3つの理由

 

虫歯では、次に挙げる3つの理由から口臭が発生することがあります。

 

1-1 虫歯に食べ物が詰まる

 

虫歯は、歯を溶かす病気です。虫歯菌が産生する酸によって歯質に溝ができたり、穴ができたりします。そこに食べ物が詰まると、時間の経過とともに細菌が増殖し、食べ物のかすの発酵が進み、悪臭を放つようになるのです。

 

1-2 歯の神経が腐る

 

歯の表面を覆っているエナメル質は、虫歯菌によって侵食されても異臭を放つことはありません。なぜなら、そのほとんどがカルシウムなどの無機質によって構成されているからです。けれども虫歯が進行すると、細菌による浸食が歯の神経や血管にまで及びます。これらが虫歯菌によって殺されると、とても狭い空間で腐敗が進んでいくため、強烈な腐敗臭を放つようになるのです。

 

1-3 歯の根っこが化膿する

 

虫歯の病態が進んで最も悪い状態になると、虫歯菌の侵食が歯の根っこにまで及びます。増殖した虫歯菌たちは行き場を失い、歯の根っこに穴を開けます。そこで化膿が起こります。化膿した部分には、虫歯菌や白血球の死骸などが含まれていて、とても強い悪臭を放つようになるのです。

 

このように、虫歯が発生すると上述したような3つの理由から口臭が生じます。虫歯に食べ物が詰まる程度であれば、ブラッシングを徹底したり、虫歯になっている部分を除去し、レジンなどを充填したりするだけで、口臭も改善しますが、歯の神経や歯の根っこまで虫歯菌が及んでいるとかなり厄介です。口臭という問題だけでなく、口腔内全体の健康にも関わってくるため、早急に対処する必要があります。

 

2.虫歯による口臭を防ぐ方法

 

虫歯による口臭を改善、予防する方法は、以下の通りです。

 

2-1 虫歯を治す

 

虫歯を治療することで、虫歯が原因の口臭は劇的に改善されます。例え、歯の神経が腐り、歯の根っこまで病気が進んでしまっていたとしても、諦めないでください。それぞれの病態に対する歯科治療がありますので、治療するにはもう遅い、ということはあり得ないのです。

 

2-2 歯を強くする

 

フッ素によって歯を強くしておけば、虫歯にかかりにくくなります。ニオイの原因となる汚れも付着しにくくなるため、口臭予防に十分な効果を発揮します。最もお勧めなのは、歯科医院でのフッ化物塗布で、その他、フッ素が含まれた歯磨き粉を常用することも効果的です。

 

2-3 正しいブラッシング法を実践する

 

虫歯を予防する上で、正しいブラッシングを行うことは欠かすことができません。正しいブラッシング法は歯科医院でまなぶことができますので、まずは定期検診を受けてみましょう。定期検診では、歯科衛生士によるブラッシング指導があります。患者さまひとりひとりのブラッシングの癖などを見抜き、改善点などを指摘してくれます。また、正しいブラッシングを行うことで、磨き残しが減り、虫歯だけでなくプラークや歯石から発生するニオイも予防できるため、一石二鳥といえるでしょう。

 

3.まとめ

 

歯周病がなく、舌苔などのケアも徹底しているのに口臭が消えない。そういった方は虫歯が原因になっている可能性が高いです。虫歯というのは、痛みなどの自覚症状が生じない限り、発見しにくい病気ですので、できれば定期検診を受けるなどして早期発見に努めましょう。

メタルコアとファイバーコアの違い

重症化した虫歯では、歯の頭の部分である歯冠(しかん)がほとんど残っていません。また、歯髄も抜いてしまいますので、残るのは歯根と歯髄が収まっていた歯髄腔だけとなります。ここから歯を復元していくためには、コアと呼ばれるパーツが必要になります。ここではそんなコアに使われる材料の違いについて詳しく解説します。

 

1.メタルコアの特徴

 

コアの部分が銀合金で作られたものをメタルコアと呼んでいます。そんなメタルコアには、以下に挙げるような特徴があります。

 

1-1 歯根が折れやすい

 

メタルコアは銀合金によって作られていますので、当然のことながら硬いです。コアは歯質の中に設置されるものですので、できるだけ歯質に近い性質であることが望ましいです。なぜなら、なにかを噛んだ際には、歯に対して圧力がかかりますので、歯の中心部に歯質よりも硬いものがあると、周りに圧力が分散します。その結果、歯根が折れてしまうことがあるのです。

 

1-2 金属アレルギーのリスクがある

 

メタルコアは歯科用金属でおなじみの銀合金で構成されているため、金属アレルギーを引き起こすリスクがあります。昨今、金属アレルギーが歯科治療が原因となっているケースも増えてきたため、金属アレルギーがある患者さまにとっては推奨できない材料といえます。

 

1-3 歯ぐきに着色が生じるリスクがある

 

これもまた銀合金を使用することのリスクで、メタルコアに含まれた金属イオンが唾液などによって口腔内へと溶け出し、結果として歯ぐきへの着色が生じることがあります。ですから、審美性を重視される方にとっては、メタルコアはあまり推奨できない材料といえます。

 

1-4 人工歯から金属色が透けて見える

 

メタルコアを設置したら、最終的に人工歯であるクラウンを装着するのですが、ケースによってはクラウンから中の金属色が透けて見えることあります。すると、歯が黒ずんで見えるようになりますので、結果的に審美性が低下することがあるのです。

 

1-5 保険が適用される

 

ここまで、メタルコアのデメリットばかり挙げてきましたが、大きなメリットとして保険適用されるという点があります。メタルコアは比較的安価な銀合金を使用しているため、基本的に3割負担で治療を受けることが可能です。

 

2.ファイバーコアの特徴

 

コアの部分がグラスファイバーで作られたものをファイバーコアと呼んでおり、メタルコアと比較すると、メリットが多いのが特徴です。

 

2-1 ファイバーコアのメリット

 

ファイバーコアの特徴は、メタルコアがもっているデメリットをきれいに補うような形の特性を持っています。まず、歯質に近い性質を有していますので、歯に力がかかった際も、歯質と同じように圧力を緩和するため、歯根破折が起こりにくいです。また、金属を使用していませんので、金属アレルギーが起こらないことはもちろんのこと、歯ぐきに金属色が着色したり、人工歯から金属色が透けて見えたりすることもありません。

 

2-2 ファイバーコアのデメリット

 

ファイバーコアのデメリットは、保険適用されないという点です。メタルコアとは異なり、自由診療となりますので、比較的治療費が高額となります。

 

3.まとめ

 

このように、メタルコアとファイバーコアとでは、とてもわかりやい形で違いが見受けられます。それだけに、選択に迷うことはあまりないかと思われます。経済性を重視するのであればメタルコアを選び、機能性や審美性を重視するのであればファイバーコアを選ぶことをお勧めします。もちろん、症例によってどちらかを選ばざるを得ないこともありますが、その点は主治医にご相談ください。

歯周病と全身疾患との関連性

皆さんは「歯周病が全身の病気と関係がある」という話を、一度は耳にしたことがあるかと思います。実際、歯周病は単に歯茎に炎症を引き起こすだけの病気ではありません。心疾患や肺炎といった、命に係わるような病態を引き起こすリスクがあるのです。けれども「なぜ、歯茎の病気が心臓の病気とつながるの?」という疑問を持たれる方が大半ですよね。ここではそんな歯周病と関係が深い以下の全身疾患について、わかりやすく解説します。

心疾患と歯周病との関連

 

1.歯周病によって生じた炎症を引き起こす物質が全身へと広がる

 

歯周病は、歯茎や歯槽骨に炎症を引き起こします。その際、サイトカインなどの炎症性物質が沢山作られています。これが血流に乗って、全身へと広がると、血管を始めとした様々な病気を引き起こすこととなるのです。

 

2.炎症性物質が原因で発症する病気

 

歯周病が進行することによって増加した炎症性物質は、血流に入り、動脈硬化を促します。その結果、血管壁にプラークがたまりやすくなり、狭心症や心筋梗塞を発症しやすくなるのです。また、心内膜と呼ばれる心臓の膜にプラークが感染したり、炎症が引き起こされたりすることで、感染性心内膜炎を発症する原因にもなり得ます。

 

3.肺炎を引き起こすメカニズム

 

誤嚥性肺炎は、歯周病が原因となることが珍しくありません。口腔内で増殖した細菌を食べ物と一緒に誤嚥することで、肺の中に炎症が生じます。ちなみに誤嚥(ごえん)とは、食べ物が食道ではなく、気管へと誤って入ってしまう病態です。最近では、高齢者の肺炎にこのタイプが多くなってきており、口腔ケアの重要性が注目されつつあります。

 

4.インスリンの働きを邪魔して糖尿病を引き起こす

 

糖尿病は、血糖値を下げるインスリンが上手く働かなかったり、産生量が低下したりすることで発症する病気です。歯周病は、そんなインスリンの働きを阻害することが知られており、糖尿病のリスク因子であると明確に位置付けられました。また、糖尿病も歯周病のリスク因子であるため、負の相互作用が働き合う厄介な病気といえます。

 

5.早産や低体重児出産を引き起こす

 

歯周病は、出産との関連も深いです。歯周病によって生じた炎症性物質が子宮に到達すると、子宮筋の収縮を促し、早期に出産することを迫るからです。その結果、早産や低体重児出産を引き起こします。そのため、近く妊娠予定の方には、歯周病の治療を妊娠前に受けるよう、推奨している歯科医院が多いです。

 

6.骨粗鬆症が歯周病を悪化させる

 

骨粗鬆症は、全身の骨密度が低下する病気ですので、顎の骨に炎症が現れる歯周病にも影響が及びます。骨粗鬆症によって顎の骨がもろくなれば、歯周病の症状も悪化します。つまり、骨粗鬆症と歯周病では負のサイクルが成り立っているのです。ちなみに、インプラント治療を受ける際には、顎の骨の骨密度が非常に重要なポイントとなりますので、骨粗鬆症を患っている方は要注意です。とくに、骨粗鬆症の患者さんが服用している薬剤によって、インプラントオペ後に顎骨壊死を引き起こす症例が多く発生しています。これを専門的にはBRONJと呼んでおり、近年、大きな問題となっています。

 

7.まとめ

 

このように、歯周病は歯茎の炎症だけでなく、心臓や肺、それから子宮といった重要な臓器の炎症を引き起こすリスクがある病気ですので、たかが歯周病とは考えず、予防や症状の改善に努めましょう。とりわけ、妊婦さんは胎児へも悪影響が及ぶリスクがありますので、なおさら予防処置や予防的な対策が重要といえますので、妊娠出産を控えている方は、早めにかかりつけ医に相談しておくことをお勧めします。

予防歯科とは何か

一般歯科や小児歯科などの診療科はよく耳にしますが「予防歯科」というのは、あまり聞き慣れないですよね。街の歯科医院でも予防歯科という名称を標榜しているところはまずありませんので、患者さまにも馴染みの薄い診療科のように思えます。けれども、実際はそんなことはなく、ほとんどの人に関わりの深い診療領域といえます。

 

1.口腔疾患を予防するための処置

 

歯科ではいろいろな口腔疾患に対する治療を行っています。虫歯や歯周病がその代表ですが、他にも口内炎や口腔乾燥症、顎関節症なども歯科で診ることが珍しくありません。予防歯科では、そういった口腔領域の病気を予防するために、いろいろな処置を施しています。

 

2.予防歯科の治療

 

予防歯科で実施している治療は、歯科医院によっても異なることがありますが、以下に挙げるような処置は共通しているといえます。

 

2-1 ブラッシング指導

 

正しいブラッシングを行うことは、虫歯や歯周病を予防する上での基本中の基本です。けれども、本当に正しいブラッシングを実践できている方は意外に少ないものです。というのも、ブラッシングはある意味誰にでもできることであり、どんな形でも毎日しなければならないことなので、小さい頃に覚えた方法を何年、何十年と続けているのが現実です。つまり、最初に覚えたブラッシング法が不適切だったり、教わったことをきちんと実践できていなかったりするパータンが非常に多いといえます。

 

そこで必要となるのが定期的に、ブラッシングの状態を専門家にみてもらうという習慣です。歯科医院では、歯の定期検診の際、ブラッシングの専門家である歯科衛生士が患者さまのブラッシング法を観察し、改善点などを指摘してくれます。それを繰り返していくことで、ようやく正しいブラッシングが身に付いていくのです。

 

2-2 フッ化物の塗布

 

歯質は劇的に変化する口腔内の環境で、絶えず脱灰と再石灰化を繰り返しています。このサイクルが脱灰の方へと傾いてしまうと、虫歯にを発症することとなりますので、バランスを保つことが重要です。そこで有用なのがフッ化物の歯面塗布です。フッ化物といえば、普段フッ素入り歯磨き粉が有名ですが、歯科医院で受けることのできるフッ化物塗布では、歯磨き粉に含まれる何倍もの濃度のフッ素を歯に作用させることができるため、歯質を強化する効果も非常に高くなっています。ですから、定期的にフッ化物塗布を受けることで、歯質が強化され、歯の再石灰化も促進されますので、虫歯予防に貢献します。

 

2-3 歯のクリーニング

 

セルフケアにおいて、完璧なブラッシングを実践することは難しいため、やはり時間が経過するにつれ、口腔内には患者さま自身では落とすことのできない汚れがたまっていきます。とりわけ歯垢や石灰化した歯石は、もはや歯ブラシで除去することが不可能ですので、専門的なクリーニングが必要になります。歯科医院ではそうした汚れを落とすために、PMTCやSRPといった特別な歯科処置を行っています。これらの処置を定期的に受けることで、虫歯や歯周病の発症リスクを著しく下げることが可能となります。

 

3.活習慣を改善する

 

ここまで、主に虫歯や歯周病の予防について解説していきましたが、その他の口腔疾患も含めた予防では、生活習慣の改善が必要となることがあります。とくに食生活に関するものは、口内炎や口腔乾燥症、顎関節症などの発症と関連が深いので、問題があれば積極的に改善していかなければなりません。ただ、ひとついえるのは、いずれの予防に関しても、発症してから受ける治療よりは、処置にかかる時間も費用も大幅に少なくなっているという点です。病気というのは、予防することが最善であることは間違いありません。

歯科衛生士が治療できる範囲

歯科医院は歯科医師と歯科衛生士、それから場合によっては歯科助手らが協力して歯科診療に当たっています。治療を受ける側としては、誰がどのような資格を持っているか気にしたことはないかもしれませんが、それぞれが行える治療の範囲というのは法律で決まっています。とくに歯科医師と歯科衛生士の線引きは重要です。ここでは歯科衛生士が行える治療の範囲について詳しく解説します。

 

1.歯科衛生士は国家資格

 

歯科衛生士は、歯科医師と同じように国家試験に合格することで得られる資格です。この点は、資格が不要な歯科助手との大きな違いです。歯科衛生士になる人は、口腔保健学科などが設置されている大学を卒業するか、歯科衛生士の専門学校を卒業することで受験資格が得られます。

 

2.基本は歯科医師のサポート

 

歯科衛生士が行う業務は、基本的に歯科医師のサポートです。歯科医師が歯を削っている際に、バキュームで唾液などを吸ったり、治療に使うセメントを練ったりすることがメインのお仕事となります。

 

3.歯を削ったり入れ歯を作ったりすることはできない

 

歯科治療では虫歯を削ったり、入れ歯を作ったりすることが日常的に行われますが、これらは歯科衛生士の業務範囲外です。つまり、基本的には患者さまのお口の中に何らかの処置を施すことは許されていないといえます。

 

4.歯科衛生士が行えること

 

上述したように、歯科医衛生士は歯科医師が行う診療のサポートをしていますので、「歯科治療」と呼ばれることは基本的に行えません。そんな中でも、歯科衛生士が行えることがあります。

 

4-1 ブラッシング指導

 

患者さまに対するブラッシング指導は、歯科衛生士の専門分野です。歯磨きに関しては、歯科衛生士学校や口腔保健学科でしっかりと学んできていますので、ある意味、歯科医師より詳しいといえます。ですから、定期検診などでは歯科医衛生士がブラッシング指導を行っている歯科医院が目立つことでしょう。

 

4-2 PMTC(歯のクリーニング)

 

PMTCとは、機械を用いた歯のクリーニングで、これも定期検診を受診した際に施術されることが多いです。機械の歯ブラシを使って歯面の汚れを落とすなど、予防に重きを置いた歯科処置であり、これもまた歯科衛生士の専門分野といえます。

 

4-3 SRP(歯石除去)

 

SRPはスケーリング・ルートプレーニングの略称で、簡単にいうと歯冠や歯根に付着した歯石を除去する歯科処置です。歯面に付着した歯石を除去することで、歯周病を予防したり、今現在発症している歯周病の症状を改善したりします。そんな歯石除去も歯科衛生士が行うことができます。ただ、全ての症例において歯石除去を行えるわけではありませんので注意しましょう。歯石の付着状況によっては大きな侵襲を伴うこともありますので、歯科衛生士が担当できるのは、基本的に軽度な歯石の付着症例です。

 

4-4 フッ化物塗布

 

歯科医院では虫歯予防にフッ化物の塗布を行います。フッ素が配合されたペーストを歯の表面に塗ることで、歯質の強化をはかります。この処置も歯科衛生士が行うことが許されています。

 

5.予防処置が主たる業務

 

このように、歯科医衛生士が行える業務というのは、歯科疾患の予防処置がほとんどです。ブラッシング指導に始まり、歯のクリーニング、歯石除去、フッ化物塗布など、処置を施すことによって虫歯や歯周病のリスクを低減させます。あとは、歯科医師の診療を補助する仕事が挙げられます。ですから、積極的に歯を削ったり、レントゲン写真を見て診断を下したりするようなことは許されていません。そういう点を知ったうえで、あらためて歯科治療を受けると面白いかもしれませんね。

適切な歯磨きをする頻度とは

患者さまの中でも多くの人が悩まれていることとして「歯磨きの頻度」があります。1日何回磨くのが適切なのかは誰もが知りたいことですよね。磨く回数が少ないのは良くないとして、磨き過ぎもトラブルのもとになりそうなイメージがあるかと思います。ここではそんな適切な歯磨きの頻度について詳しく解説します。

 

1.基本は1日3回?

 

歯磨きをする適切な頻度としては、まず「1日3回」という回数が思い浮かぶかと思います。誰に教わったというわけでもなく、ある意味常識のような形で日本人の意識に根付いています。実際、1日3回というのは間違った頻度ではなく、おおむね正しいといえます。1日3回という回数の根拠は、朝昼晩の食事のあとに歯磨きをするという意味ですので、オーラルケアとしては適切といえます。

 

2.昼間に歯磨きできない人が多い

 

朝食後、昼食後、夕食後と1日3回しっかりと歯磨きができれば、口腔衛生状態も良好に保つことができますが、昼食後に歯磨きをすることができない人が多いといえます。これは昼食を学校や職場などでとるためであり、昼休みに歯磨きまでしている時間がないというのが現実です。ただ、昼食後に歯磨きができないからといっても、朝と晩に丁寧な歯磨きを行っていれば問題ありません。とくに就寝前には、時間をかけてじっくり歯磨きをしましょう。

 

3.ものを食べたら毎回歯磨きするのが理想

 

ここからは理想の話ですが、1日3回の食事だけではなく、間食をした際にもその都度、歯磨きをするのがベストといえます。結局、何かものを内に入れたら、口腔内の細菌の活動が活発化するため、虫歯のリスクも高まります。とりわけ、間食では砂糖が多く含まれたおやつを口にすることが多くので、虫歯のなりやすさも普段の食事より高くなっています。そういったことから、朝昼晩の食事であろうと3時のおやつであろうと、何かを口に入れたら歯磨きをするのがベストといえるのです。その場合、具体的な歯磨きの回数は、食事の回数と同じになります。

 

4.歯磨きが無理ならうがいをしよう

 

実際問題として、毎回の食事のあとに必ず歯磨きをすることは難しいです。出先では、そもそも歯磨きをする環境が整っていないこともあるからです。ただ、もし可能であれば、30秒でも構いません。食後に軽い歯磨きをするだけでも、虫歯の発生率は低くなりますので、歯ブラシを常に携帯することをお勧めします。それも難しい方は、食後にうがいをして口腔内をゆすぐ習慣を身に付けましょう。うがいをするだけでも、食物が口腔内に残留するのを防げますし、口臭の発生を抑制することにもつながります。

 

5.1日1回は徹底した歯磨きを

 

1日のスケジュールによっては、1回しか歯磨きを行えないこともあるかと思います。これは忙しい生活を送っている人にとっては仕方のないことなので、そういったケースでは1回の歯磨きを徹底したものにしましょう。5~10分くらい時間をかけて、プラークフリーの状態を作ります。そうすることで、口腔衛生状態は保たれます。ただし、1日1回の歯磨きが毎日続くと、さすがに虫歯の発症率が高まりますので注意しましょう。

 

6.まとめ

 

このように、歯磨きの適切な頻度というのは、毎食後が理想ですがそれを実行できないのが現実ですので、軽い歯磨きやうがいなどによって補っていくことが大切です。また、時間のあるなしに関わらず、1日1回はプラークフリーな状態を作れるようなしっかりとした歯磨きを実施しましょう。そうすることで、歯垢がたまらなくなり、歯石の形成も抑えられますので、虫歯予防だけでなく歯周病予防にもつながります。

自分にあった歯ブラシの選び方

歯磨きは毎日何度も行うものですから、適切案ブラッシング法を実践でするだけではなく、自分に合った器具を使用することが大切です。ここでは、自分に合った歯ブラシの選び方について詳しく解説します。

 

1.自分の歯並びを理解する

 

歯ブラシを選ぶ際に重要となるポイントは「歯並び」です。人の歯並びは千差万別で、綺麗な弓型の歯列をしている人もいれば、乱杭歯で凹凸が大きい歯列をしている人もいます。そうした歯列の違いに応じて、使用する歯ブラシも異なってくるため、まずは自分自身の歯並びを観察し、その形態をしっかりと理解しましょう。

 

2.歯列に乱れがない人の歯ブラシ選び

 

歯列に特別な問題がない場合は、普段の歯磨きでも磨きにくさなどを感じることが少ないかと思います。そういったケースでは、最もポピュラーな形態の歯ブラシを使用することをお勧めします。毛先が平らで、ヘッドの部分も標準的な大きさの歯ブラシを選択しましょう。かたさは「ふつう」を選択してください。主に使用する歯ブラシは、そうしたポピュラーなもので十分歯面の汚れを除去することができます。

 

それに加えて、補助的な清掃器具も併用すると、さらにプラーク除去効果が高まります。具体的には、フロスを使って、歯と歯の間の汚れを取り除きましょう。歯間の汚れは、通常の歯ブラシで除去することが困難ですので、歯列の状態に関わらず、フロスを必要とします。

 

3.歯列に乱れがある人の歯ブラシ選び

 

出っ歯や八重歯、乱杭歯といった歯列不正がある人は、いくつかの歯ブラシを使い分けながら、口腔清掃を行っていく必要があります。ただ、ベースとなる歯ブラシは、歯列に乱れがない人と同じで、最もポピュラーなものを使用しましょう。

 

まず欠かすことのできないのが、ワンタフトブラシです。ワンタフトブラシは、毛の束がひとつしかない歯ブラシで、ヘッドの部分がとても小さいです。そのため、八重歯や乱杭歯のような歯列の入り組んだ部分にも、毛先を挿入することができます。こういった部分の清掃は、ワンタフトブラシでなければなかなか行えません。さらに、フロスや歯間ブラシも併用して、歯と歯の間の汚れをしっかり除去しましょう。

 

4.歯や歯茎に異常がある人の歯ブラシ選び

 

ブラッシングをする力が強すぎて、象牙質知覚過敏症を発症している人は「やわらかめ」の歯ブラシを使用することをお勧めします。ヘッドの部分は小さなものを選びましょう。そうすることで、歯にかかる過剰な圧力を減らすことができます。また、歯肉炎や歯周炎を患っている人は、歯茎が腫れたり出血しやすくなっていたりしますので、その場合も「やわらかめ」の歯ブラシを使うことが望ましいです。歯茎への刺激を軽減し、歯周病の症状を悪化させないようにします。

 

5.歯科医院でアドバイスをもらう

 

歯科医院の定期検診では、歯垢の染め出しなどを行って、患者さまのブラッシングの癖などを調べます。どこにどのような磨き残しがあるかを把握し、普段のブラッシングの問題点を指摘させて頂きます。その際、患者さまに最適な歯ブラシも提案させて頂いておりますので、自分に合った歯ブラシを選ぶのであれば、専門家のアドバイスを参考にするのもひとつの手段といえます。

 

6.まとめ

 

ひとりひとりの歯列が違うように、それぞれに合う歯ブラシの種類も異なります。歯列の状態や歯茎の病態なども考慮した上で、歯ブラシ選びは慎重に行いましょう。歯科医院の定期検診の際に、専門家のアドバイスを受けることは非常に有益といえますので、是非ともその機会を活用してみてください。

フッ素を歯に塗るとどんな効果があるのか?

虫歯予防といえば「フッ素」ですよね。最近ではフッ素が虫歯を予防する効果があることを知らない人がいないくらい有名になりました。けれども実際のところ、このフッ素がどのように作用して、虫歯予防につながるのかについては知らない人がほとんどです。ここではそんなフッ素の効果について詳しく解説します。

 

1.フッ素とは

 

フッ素とは、数ある元素の中のひとつで、原子番号9に位置付けられています。これだけ聞くと単なる化学の知識でしかありませんが、現実的には「フッ化物」という形で歯科応用されています。

 

2.フッ化物の作用

 

フッ化物には、歯の再石灰化を促すという作用が期待できます。歯は絶えずさまざまな刺激に晒されており、脱灰(だっかい)と呼ばれる現象が起こっているのです。虫歯はこの脱灰という現象が過剰に起こることによって進行していく病気です。具体的には、虫歯菌が産生する酸によって歯質が溶け出し、歯に穴があいていきます。そうした脱灰と呼ばれる歯質の溶解は、再石灰化によって回復することが可能です。そしてそれを手助けするのがフッ化物なのです。

 

3.フッ化物の活用法

 

虫歯予防につながりフッ化物歯、私たちの生活の中のいろいろな場面で活用されています。

 

3-1 歯磨き粉

 

ドラッグストアや薬局などに並んでいる歯磨き粉のほとんどには、フッ化物が配合されています。むしろ最近では、フッ化物が含まれていない歯磨き粉を探すのが難しいくらいです。そんなフッ素入りの歯磨き粉を毎日のブラッシングで使用することによって、歯の再石灰化が促され、虫歯予防へとつながっていきます。

 

3-2 フッ化物によるうがい

 

まだ歯磨きを自分一人でしっかり行えないお子さんには、フッ素洗口と呼ばれる方法が虫歯予防に有効です。フッ化物が入ったうがい薬によってぶくぶくとうがいをすることで、口腔内にフッ素が行き渡り、歯の再石灰化に役立ちます。そんなフッ素洗口に用いるうがい薬は、歯科医院で入手することができますので、気になる方はかかりつけ医に相談してみてください。

 

3-3 フッ化物の歯面塗布

 

歯科医院では、ジェル状のフッ化物を直接、歯の表面に塗布する処置を施しています。これはとても虫歯用効果が高い処置法で、小さなお子さんだけでなく、成人の方にも虫歯予防の観点から施術されることが多いです。

 

3-4 水道水にフッ化物が含まれている

 

地域によっては、水道水にフッ化物が含まれていることがあります。毎日うがいなどで使用する水道水にフッ化物を配合することで、虫歯予防につなげます。ただ、水道水に含まれているフッ化物の濃度はそれほど高くないため、副作用が少ないと同時に、虫歯予防効果も比較的低いといえます。また、水道水にフッ化物を配合している地域もかなり限られているのが現状です。

 

4.フッ化物は歯質を強化する

 

フッ化物は、歯の再石灰化を促進するだけでなく、歯質の強化にも役立ちます。歯が強くなると、虫歯菌による酸刺激だけでなく、その他の刺激に対しても耐性ができますので、ダメージを受けにくくなるのです。

 

5.まとめ

 

このように、虫歯予防を目的としたフッ化物の応用というのは、至るところで見られます。最も身近なのは歯磨き粉への配合で、これを利用していない人はまずいないことでしょう。それに加えて、歯科医院でのフッ化物歯面塗布などを定期的に受けることで、虫歯予防の効果はさらに高まります。虫歯は一度かかると、歯質を失うばかりなので、予防をすることが最善です。その上で、フッ化物ほど有用なものはありませんので、是非とも積極的に活用していきましょう。

イーマックスインレーについて

歯科に使用される材料というのは、年々改良が加えられ、審美性や機能性、耐久性などもどんどん向上しています。とくに多くの患者さんが施術を受ける機会があるインレーやクラウンについては、進歩が目覚ましく、イーマックスインレーと呼ばれる素晴らしい補綴装置も普及しつつあります。ここではそんなイーマックスインレーについて詳しく解説します。

 

1.インレーとは

 

インレーという言葉には、あまり馴染みがないかもしれませんが「つめ物」と聞くと、どんなものかすぐにイメージできるかと思います。虫歯治療の際に用いられる補綴物で、虫歯を削ることで生じた溝を埋めることを目的としています。奥歯の虫歯に適応されることが多く、保険診療では金属製のインレーが作られることがほとんどといえます。

 

2.保険ではなぜ金属のインレーが作られるのか

 

保険診療では、最小限の費用しかかけることができませんので、材料費も安く抑える必要があります。金属製のインレーというのは、比較的安価な歯科用合金が使用されていますので、保険を適用することが可能となっています。ただ、保険適用の金属製インレーでは、審美性があまり良くないため、治療に満足できない患者さんもたくさんいらっしゃいます。そんな方にお勧めなのがイーマックスインレーです。

 

3.イーマックスインレーとは

 

イーマックスインレーとは、インレーを構成する素材がすべてセラミックです。セラミックは白くて光沢があり、その性質も天然の歯に非常に近いといえます。そのため、審美歯科治療ではセラミックを活用する場面が多く見られます。

 

4.イーマックスインレーの優れた点

 

審美歯科治療では、従来からジルコニアやセラミックなどを活用したインレーが作られてきましたが、イーマックスインレーはとりわけ審美性が高い歯のつめ物といえますので、審美性を重視される方にはうってつけの補綴物です。例えばジルコニアを用いたインレーと比較すると、強度の面ではイーマックスインレーの方が劣りますが美しさに関しては最高レベルです。また、素材の柔軟性なども歯質に近いため、ものを噛んだ時などにインレーが破折しにくいなどのメリットも挙げられます。

 

5.費用はどのくらい?

 

イーマックスインレーによる治療は、自費診療となりますので、歯科医院によって治療費が異なります。それでも大まかな相場としては、4万円以上はかかるものとお考えください。一方、ジルコニアのインレーとなると、6万円以上かかることが多く、費用の面でもイーマックスインレーの方が選択しやすいといえます。

 

6.奥歯の審美性を向上させる必要があるの?

 

奥歯というのは、比較的目立ちにくい部位であるため、銀歯にしてもそれほど審美性が害されるわけではありません。そのため保険診療では、前歯の治療には金属を使わないものの、奥歯に対しては金属材料でインレーやクラウンを製作することが多いのです。ただ、審美性の要求が高い人にとっては、奥歯でもそこに金属が詰められていたり、被せられていたりしたら気になるものです。確かに、大きな口を開けて笑った際、意外に奥歯の金属というのは目立つことがあるのです。そういったニーズもあることから、イーマックスインレーのような審美性の高い歯のつめ物が開発されているといえます。

 

7.まとめ

 

イーマックスインレーは、審美性や柔軟性に優れ、ジルコニアと比較すると治療費も安価であることから、治療法として選択する患者さんが増えてききています。そんなイーマックスインレーについてさらに詳しく知りたい方は、歯科医院でカウンセリングを受けてみてください。

金属アレルギーとは何か

金属アレルギーは、歯科治療と関連の深い症状です。実際、歯科治療後に金属アレルギーが発症する患者さんも珍しくはありませんので、最近では治療前にアレルギー検査を行う歯科医院も増えてきています。ここではそんな金属アレルギーと歯科治療の関連について詳しく解説します。

 

1.金属アレルギーとは

 

金属アレルギーとは、主に皮膚や粘膜などに金属が接触することで、炎症などが生じる病態です。金属自体に病原性があるわけではないのですが、体の免疫機構が過剰に働いてしまい、アレルギー物質を排除しようと炎症を引き起こします。

 

2.歯科治療と金属アレルギーの関連

 

歯科治療で金属アレルギーになると聞いて意外に思われる方も多いかもしれませんが、臨床の現場では決して珍しい症例ではありません。なぜなら歯科治療では実に多くの金属を使用するからです。また、使用した金属は口腔粘膜という非常にデリケートな組織と接触し続けるため、金属アレルギーを発症する患者さんが出ても何ら不思議なことではないといえます。

 

3.金属アレルギーの原因となり得る歯科用金属

 

歯科治療で用いられる歯科用金属には沢山の種類がありますが、中でも金属アレルギーを引き起こしやすのは銀歯です。銀歯は銀合金で作られていることが多く、その中には銀やパラジウム、ニッケルなどが含まれており、これらが金属アレルギーのアレルゲンとなることがあります。その他、アマルガム充填に使われているアマルガムなども歯科治療における主なアレルゲンといえます。

 

4.金属アレルギーの症状

 

歯科治療が原因で生じる金属アレルギーの症状には、口唇炎や口内炎、舌炎といった炎症を主体とした病態が目立ちます。その他、扁平苔癬や舌痛症を伴うこともあります。また、金属アレルギーの原因を特定しにくくするものとして、皮膚炎の発症が挙げられます。皮膚に炎症が生じているので、ネックレスや衣類などがアレルギーの原因になっていると思い込んでしまう患者さんも珍しくないのですが、実は口腔内に入っている詰め物や被せ物がアレルゲンだったというケースがあります。ですから、歯科治療が原因の金属アレルギーだからといって、その症状は口腔内だけにとどまると思い込むのは危険といえるのです。

 

5.金属アレルギーの治療法

 

歯科用金属がアレルギーの原因になっている場合は、皮膚や粘膜に現れている炎症を抑えることは当然として、根本的な原因も取り除く必要がでてきます。それはアレルゲンとなっている金属製の補綴物を撤去することです。インレーやクラウンなどの補綴物が金属アレルギーの原因となっているのであれば、それを取り除かないとアレルギー症状も治まりません。では実際、どのように処置が進められていくのでしょうか。

 

6.アレルゲンにならない材料に置き換える

 

例えば奥歯の被せ物に金属を用いていた場合は、それを取り除いてレジンやセラミックなどの材料に置き換えます。レジンやセラミックであれば、金属アレルギーを起こすことはまずありませんので、アレルギー症状の根本的な解決につながります。もしもそれが難しいケースであれば、患者さんのアレルゲンとはならない金属に置き換えるという方法もあります。

 

7.治療前にアレルギー検査を受けるのがベスト

 

歯科治療による金属アレルギーを回避するのであれば、治療前にパッチテストなどのアレルギー検査を受けることがベストといえます。最近では、パッチテストを始めとしたアレルギー検査を実施している歯科医院も増えていますので、気になる方は問い合わせてみましょう。歯科治療を受けるうけないに関わらず、自分にどんなアレルギーがあるのかを知るだけでも有益だといえます。

日本と国外の予防歯科への認識の差

従来、日本人の多くは「歯医者は痛くなってから行くもの」という考えの元、歯科治療と向き合ってきました。それも「痛みを我慢できなくなったら行く」という人も珍しくありません。これは歯医者嫌いが多い、日本人の国民性ともいえます。なぜなら、海外では事情がかなり異なってくるからです。とりわけ北欧の国々は予防歯科への認識が高く「虫歯は予防するも」という考えで日々、オーラルケアに取り組んでいるからです。ここではそんな予防歯科への認識について、日本と海外の違いを解説していきます。

 

1.予防歯科ってなに?

 

最近では、日本でも「予防歯科」の概念が広まってきたため、その概要について理解している人も増えましたが、依然として理解が進んでいない人もいらっしゃいます。確かに、従来は学校などで予防歯科教育が行われることも少なかったですし、予防歯科について深く知る機会も用意されていませんでしたので、仕方のないことといえます。そんな予防歯科は、簡単にいうと、虫歯や歯周病を予防することを目的とした歯科処置です。といっても、歯を削ったり、入れ歯を作ったりするような具体的な歯科処置を指しているのではなく、ブラッシング指導や歯石の除去といった、オーラルケアよりの処置全般を指しています。

 

2.予防歯科で受けられる処置

 

予防歯科では、小さなお子様にシーラントを詰めたり、フッ化物を塗布したりするなどして、虫歯にかかりにくい状態を作ります。それから、ブラッシング指導やPMTCなどを必要に応じて行っていきます。これらは主に、定期検診を受ける際に実施されるものです。つまり、歯の定期検診を受けておけば、自ずと予防歯科の処置も受けることができます。

 

3.日本人は歯科を定期的に受診しない?

 

ここで、冒頭で述べた予防歯科への認識が国内外で異なるという話につながります。そもそも日本人は、歯の定期検診を受けている人が極めて少ないのです。それは「歯医者は痛くなってから行くもの」という認識が広く根付いていることにも関係していますが、やはり予防歯科の重要性を理解している人がまだまだ少ないことが主な原因といえます。

 

4.虫歯は予防するのが当たり前!

 

北欧においては、虫歯や歯周病といった口腔疾患は、予防するのが当たり前という文化が根付いています。そのために、日々のオーラルケアを徹底していますし、定期的に歯科を受診するのも当然の習慣です。また、アメリカの場合は、国民皆保険制度が成り立っていませんので、虫歯治療を受けるだけでも、かなり高額の医療費がかかることもあり、できるだけ予防するよう努めている人が多いです。

 

5.増えつつある定期検診の受診者

 

とはいえ、日本においても歯科の定期検診を受ける人は徐々に増えてきています。例えば10年前と比べたら、予防歯科への意識も格段に上がっているといえます。というのも、ほとんどの日本人はフッ素入りの歯磨き粉を使うようになりましたし、虫歯の数も減少傾向にあることが統計データからわかります。8020運動の達成者も増加傾向にあるのは有名ですね。それでもなお、虫歯を我慢できなくなるまで放置してしまう患者さんは見受けられるのが現状です。

 

6.自分の歯を大切に思う気持ちが重要

 

虫歯や歯周病は、治療せず放置すると、最終的には歯を失うこととなります。歯は再生することが不可能な貴重な組織であり、死ぬまで使い続けるものですので、何より大切にして頂きたいと思います。そうした認識を持つことができれば、自然と予防歯科への関心も高まっていくことかと思います。まずは第一歩として、定期検診を受診してみることをお勧めします。

 

残存歯と生涯医療費の関連性

皆さんは生涯医療費という言葉をご存知でしょうか。文字通り、一生涯にかかる医療費の総額なのですが、平均で2500万円を超えており、人生においてかなりの部分を占める出費といえます。そんな生涯医療費は残存歯とも深い関連があります。ここでは残存歯と生涯医療費との関連について詳しく解説します。

 

1.生涯医療費の半分は70歳以降にかかる

 

生涯医療費は全体の平均で2500万円程度かかりますが、そのうちの半分は70歳までに、残りの半分は70歳以降にかかるというデータも存在します。この偏り方は普通ではありませんが、実際70歳以降になると、全身に様々な異常が現れてくるため、納得のいく数値といえます。とくに歯科においては、70歳以降の口腔内の状態がそのまま医療費に反映していくと考えられます。

 

2.残存歯とは

 

残存歯とは、病気などによって抜けることなく、口腔内に残っている歯を意味します。それがもし被せ物をしていたり、詰め物を装着していたりしても残存歯としてカウントされます。ちなみに、インプラントのような歯根も歯冠も人工物である補綴装置は、残存歯としてカウントしません。

 

3.残存歯が多いことのメリット

 

残存歯は多ければ多いほど、口腔保健に良いだけでなく、生涯医療費の削減にもつながります。その理由は以下の通りです。

 

3-1 最小限の歯科治療で済む

 

例えば、虫歯にかかった歯を早期に治療した場合、詰め物や被せ物を装着するだけで済みますよね。これらは当然保険適応されますし、材料費などコストも安く抑えることができます。では、虫歯を放置して重症化した場合はどうでしょうか。最終的には抜歯をすることとなるため、それを補うための入れ歯を作ったり、場合によってはインプラントを埋入したりすることとなります。これらにかかる費用は、詰め物などと比べるとかなり高くなります。

 

3-2 摂食嚥下機能を維持できる

 

残存歯が少なくなると、大型の入れ歯を装着することとなり、必然的に食事をしにくくなるという弊害が生じます。入れ歯が合わない人は、入れ歯の装着をやめてしまうことも珍しくなく、その結果、食事が億劫となり摂食嚥下機能が低下していくのです。

 

3-3 食欲の減退を抑止し体質の虚弱化を回避する

 

摂食嚥下機能の低下は、そのまま食欲の減退へとつながりますので、思うように栄養もとれなくなってしまいます。すると、体が虚弱となるため、病気にかかりやすくなるのです。高齢の方はただでさえ免疫力が下がっているのに、栄養失調によって虚弱体質となると、いよいよ重病に罹患するリスクも急激に高まっていきます。残存歯が多ければ、よく噛むことができるため、そうした事態を回避することが可能です。

 

4.全身疾患にかかることで医療費がかさんでいく

 

上述したように、残存歯が少なくなると、口腔機能だけでなく全身の機能低下を引き起こしかねません。全身疾患にかかると、それだけ生涯医療費もかさんでいきます。逆にいえば、毎日の食事をきちんと摂るだけでも、免疫力が正常に保たれ、病気にかかりにくくなります。そういう意味では、「たかが残っている歯の数」と考えず、歯は全身の健康にも影響を及ぼす大切な臓器として捉えることが大切といえます。

 

5.まとめ

 

残存歯が多いほど、歯科治療にかかる費用を抑えられるだけでなく、生涯医療費全体を削減することにもつながります。これはなかなか実感しにくいことなだけに、歯科治療を早期に受けるモチベーションにはならないかもしれませんが、両者の関連性を理解しておくことで、口腔の健康と全身の健康の両方を守ることにもつながります。

根管治療の重要性

歯科治療において、重要でない処置というのは何ひとつありませんが、とりわけ根管治療の重要性は高いといえます。同時に、歯冠の修復処置などと比べると、格段に難しくなります。ここでは、そんな根管治療の重要性について詳しく解説します。

 

1.根管治療とは

 

根管治療とは、文字通り歯の根管に対して施す処置で、ほとんどのケースで原因となるのは虫歯です。虫歯が歯冠部だけでなく、歯根の部分にまで及び、根管内が汚染された際に根管治療が必要となります。

 

  • 根管治療の手順

 

根管治療では、まず根管内の汚染された歯質や組織を取り除きます。これらを残したままにすると、病原性が排除できませんので、様々な器具や薬剤を用いて、丁寧に除去していきます。その後、複数回に及び根管消毒を繰り返し、根管内が無菌化されたことが確認されれば、根管治療もいよいよ終盤です。最終的に、無菌化した根管内を特別な材料を使って塞ぐこととなります。この操作を根管充填と呼んでいます。根管内が清潔になり、充填材によって満たされれば根管治療は終了です。

 

2.根管治療はとても時間のかかる処置

 

根管治療は、1~2回の通院では完了しません。一般的な虫歯治療であれば、そのくらいの回数で治療が完了することもありますが、根管治療となると話は変わります。まず何より、根管という肉眼ではすべてを把握しきれない細かな穴に対する治療となりますので、汚染物質を除去するだけでも、そう簡単には進みません。また、不十分な状態で根管治療を終えてしまうと、根管内の病巣が再発することも珍しくないのです。

 

3.根管内が再び汚染されたら?

 

例えば、短時間で根管治療を終えることを優先して、根管消毒や根管充填が不十分に行われた場合を想定してみましょう。根管治療のあとは、通常の虫歯治療と同様に、上部へクラウンなどの補綴物を装着します。そのためのコアを形成したり、歯質の形を整えたりもしますので、簡単に後戻りはできないのです。ですから、根管治療後に再び根管内が汚染されてしまうと、補綴物を取り外すだけでなく、根管治療を1からやり直すこととなります。それでだけでなく、最初に根管治療を行った段階で、根管内を始めとした歯質を必要に応じて削除していますので、そもそも再根管治療を適応できないこともあるのです。そういったケースでは、抜歯となります。

 

4.根管治療が重要な理由

 

根管治療が重要な理由は、上述したものだけではありません。歯根はある意味で、歯冠よりも重要な部位であり、それを残すために行うのが根管治療ですので、必然的に重要度は増していきます。というのも、いくら歯冠を失っても、金属やレジン、セラミックなどで補うことができますが、歯根はそうはいきません。今のところ、歯根の代わりを果たせるのはインプラント治療におけるフィクスチャーくらいです。

 

また、根管の病巣を放置すると、根尖へと進行し、やがては歯周組織にダメージを与えるようになります。根尖病巣が発生すると、そこから細菌や炎症性物質などが血流に乗って、全身へと広がることもあります。そうしたトラブルを防ぐためにも、根管治療をしっかり行うことが大切といえるのです。

 

5.まとめ

 

根管治療は言うまでもなく重要な処置ですが、できるならば根管内にまで汚染が広がる前に、治療を受けておきたいものです。虫歯が象牙質やエナメル質にとどまった状態で発見できれば、残せる歯質もかなり増えます。何より、歯を守ってくれる歯髄を保存することができますので、日頃から定期検診などを受けて、虫歯の早期発見早期治療をこころがけましょう。

根尖病巣の治療法

虫歯が進行していくと、最終的に歯の根っこの先端の部分にまで病巣が広がります。これを専門的には根尖病巣と呼んでおり、通常の虫歯治療と比べて、処置が難しくなることが多いです。ここではそんな根尖病巣の原因や治療法について詳しく解説します。

 

根尖病巣とは

 

初期の虫歯はエナメル質に始まり、その後象牙質、歯髄へと虫歯菌の浸食が進んでいきます。歯髄に達した時点で、歯の神経を保存することが難しくなるのですが、さらに病状が進むと、歯の根っこから細菌や病原性物質が漏れ出ていくことがあります。それが根尖病巣であり、歯科治療を困難にさせる厄介な病態といえます。

 

歯根の先には穴があいている

 

健康な歯であっても、歯根の先端は穴があいています。この穴は歯髄が通るために存在しており、歯茎や歯槽骨へと交通しています。そのため、病巣が根の先端である根尖にまで到達すると、その穴を通じて歯根外へと病原菌などが漏れ出ていきます。

 

根尖病巣の症状

 

根尖病巣が生じると、歯根の先端部分が腫れることが多いです。これは歯茎や歯槽骨の中に膿が生じているからです。根尖病巣は、細菌や白血球の死骸によって汚染されているため、できるだけ早く処置を施す必要がでてきます。

 

根尖病巣の治療

 

根尖病巣は、基本的に歯髄へと侵入してきた細菌などによって引き起こされる病気ですので、根管治療を行うことで症状は治まります。具体的には、神経や血管を含めた組織を取り除き、汚染物質を排除します。その後は、通常の根管治療と同様に、根管内を消毒していきます。根管消毒によって根管内が無菌化されれば、自ずと根尖病巣も小さくなっていきます。ただし、すぐに小さくなっていくものではありませんので、処置を進めつつ、経過を観察していくことが必要となります。

 

根管治療でも改善されない根尖病巣

 

根尖病巣のケースによっては、通常の根管治療が行えない、あるいは症状が改善されない場合がありますので、その際は歯根尖切除術などが行われます。歯根尖切除術とは、根尖部分を切除することによって根尖病巣を治療する手技です。歯冠側から処置を施せなかったり、根尖が歪な形態をしていたりするなど、通常の根管治療では治療効果が見込めない時に適応される術式です。

 

病状が安定したら根管充填を行う

 

根管治療によって根尖病巣が消失したり、病態が安定したりすれば、最後は根管充填を行います。これもまた通常の根管治療と同じ流れです。もしも根管充填を行わず、補綴治療へと進んでしまったら、根管内に死腔が生じることになりますので、再び根管内の感染や根尖病巣の発生を引き起こしかねません。

 

歯周病が原因の根尖病巣

 

根尖病巣ができる原因は、必ずしも虫歯だけではありません。実は歯周病によっても根尖病巣が生じることがあるのです。例えば、歯周病によって深い歯周ポケットができると、ポケット内で歯周病菌が繁殖しやすくなります。その結果、根尖にまで感染が及び、根尖病巣の発生へとつながっていきます。こういったケースでは、いくら根管治療を行っても根尖病巣の症状は改善しませんので注意しましょう。歯周病の治療を行わなわなければ、根尖に生じた病変は悪化するばかりです。

 

まとめ

 

根尖病巣は歯の根っこの部分に生じる病変で、歯茎の腫脹や痛みなどを伴います。その原因の多くは虫歯にありますので、予防には早期の虫歯治療が不可欠です。ケースによっては歯周病が原因のこともありますので、根尖病巣の症状が現れたら、まず歯科医院を受診しましょう。根尖病巣は原因に応じた適切な治療が必要となります。

歯根破折の原因と治療

歯の根っこが折れてしまうことを「歯根破折(しこんはせつ)」といいます。歯が折れてしまうというのは、とても深刻な状態ですが、その後どのような経過をたどるのか気になりますよね。また歯根破折の原因や治療法についても詳しく知りたいかと思いますので、詳しく解説します。

歯根破折の原因

 

歯根破折にはいくつかの原因が存在します。それぞれの原因に応じて対処法も違ってきます。

 

1 外傷

 

歯根破折において最も多い原因のひとつが外傷です。小さなお子さんなどは、元気に歩けるようになると、転ぶ頻度も高まります。まだ、反射神経などが上手く働かない中、コンクリートの地面などに転倒すると、顔面を打ち付けてしまうことがあるのです。その際、前歯に強い衝撃が加わり、歯冠や歯根が破折することがあります。もちろんこれは、大人になってからでも同じです。

 

2 歯ぎしりや食いしばり

 

普段から歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖があると、常に歯に対して強い圧力がかかっていますので、歯根破折の原因になり得ます。私たちが噛む力というのはとても強いので、「たかが歯ぎしり」とは考えないようにしましょう。時には歯の根っこを折ってしまうのです。

 

3 不良な被せ物

 

口腔内に、適合不良な詰め物や被せ物があると、咀嚼の際に特定の歯にだけ極端な負担がかかることがあります。その結果、過剰な負担に耐え切れなくなり、歯根が破折します。ですから、詰め物や被せ物といった補綴物は、単に見た目が良いだけでなく、口腔内にきちんとフィットしているかが重要といえます。

 

4 歯が弱っている

 

歯は神経を抜くと、その強度が低下します。それだけに、歯医者はできるだけ神経を抜かない治療を模索しているのです。抜髄によって強度が下がった歯は、歯根も脆弱となっているため、強い力が加わった際には容易に破折することがあります。

 

 

歯根破折の治療法

 

歯根破折の治療法は、病態に応じて様々です。

 

1 経過観察

 

レントゲンを撮って、破折以外の大きな問題が見られない場合は、経過観察することがあります。下手に歯を取り出して処置を施すよりは、何もせず経過を見ていった方が良い結果が得られることがあるのです。

 

2 破折した部分を接着する

 

破折した部分を特殊な接着剤によって接着する治療法があります。口腔内で接着する方法と口腔外で接着する方法の2種類があり、ケースに応じて適応が異なります。

 

3 歯を抜く

 

歯根破折の状態によっては、保存することが不可能なケースも珍しくありません。その場合、抜歯という処置をとります。破折した部分も含め、歯を丸ごと抜くことでさらなる病態の悪化を防ぎます。

 

まずは歯科医院を受診することが大切

 

歯根というのは、歯茎の中に埋まっている部位ですので、肉眼では確認できません。ましてや、一般の方が判断するのは難しいのでは、違和感を覚えたらまず歯科医院を受診しましょう。歯や歯茎に痛みを感じたり、歯茎が部分的に腫れていたりするなどの自覚症状も手掛かりになります。

 

あるいは、上述したような外傷や歯ぎしりなどの口腔習癖など、歯根破折の原因の中で思い当たるものがある場合も、歯科医に相談してみてください。歯科医院では、問診や口腔内診査だけでなく、必要に応じてレントゲン撮影も行って、歯根破折が起こっていないかを調べます。

 

まとめ

 

歯根破折の原因は、単に外傷などによる歯へのダメージだけではありません。歯ぎしりなどのブラキシズムや抜髄後の歯の脆弱化など、意外な原因も含まれますので、気になる方はまず歯科医院で診てもらってください。まだ歯根破折が起こっていなくても、将来的にそれが予想される原因が見つかるかもしれません。

歯磨き粉の種類と効果

市販されている歯磨き粉には沢山の種類があり、その効果も様々です。虫歯予防に特化したものもあれば、歯周病の症状を改善する効果が期待できるものもありますので、今現在、それぞれが抱えているお口の悩みに応じて、最適な歯磨き粉を選ぶことが大切です。ここではそんな歯磨き粉の種類と効果について詳しく解説します。

 

1・歯磨き粉の成分は2つに分けられる

 

歯磨き粉の成分には「基本成分」と「薬用成分」があり、基本成分のみのものは化粧品と呼び、基本成分にプラスして薬用成分が配合されたものを医薬部外品と呼んでいます。これは薬事法によって決められています。

 

2.歯磨き粉の基本成分とは

 

歯磨き粉の基本成分には、次に挙げる6つが含まれています。

 

2-1 清掃剤

 

清掃剤は、研磨剤とも呼ばれることがある成分で、歯の表面に沈着した歯垢(プラーク)や着色汚れ(ステイン)の除去といった効果が期待できます。具体的な成分としては、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸(シリカ)などが挙げられます。

 

2-2 発泡剤

 

発泡剤は、歯磨き粉を泡立てることで口腔内に拡散させ汚れを除去する効果が期待できる成分で、ラウリル硫酸ナトリウムなどが代表的です。

 

2-3 湿潤剤

 

湿潤剤は歯磨き粉に水分を与え、口内での操作性を向上させる効果が期待できる成分で、ソルビトール、グリセリンなどが有名です。

 

2-4 粘結剤

 

粘結剤は、歯磨き粉に適度な粘性を与えて操作性をよくする効果が期待できる成分です。具体的には、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロスナトリウム、カラギーナなどが挙げられます。

 

2-5 香味剤

 

香味剤は、歯磨き剤に味や香りを付けることにより歯磨き後の爽快感を与える効果がある成分で、ミント、メントール、サッカリンナトリウムなど代表的です。

 

2-6 保存料

 

保存料は、歯磨き剤の変質を防ぐためのもので、安息香酸ナトリウムなどがよく使われます。

 

3.歯磨き粉の薬効成分とは

 

歯磨き粉の薬効成分には、次に挙げる6つが含まれています。

 

3-1 フッ化物

 

フッ化物は、歯質を強化し虫歯の予防や、初期虫歯の再石灰化による歯質の修復といった効果が期待できる成分です。フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなどが代表的です。

 

3-2 ミネラル

 

ミネラルは、歯の再石灰化に必要な成分で、虫歯予防に寄与します。具体的には、リン酸カルシウム、マグネシウム、リカルデントなどが挙げられます。

 

3-3 塩化ベンザルコニウム・塩化セチルピリジニウム

 

塩化ベンザルコニウムや塩化セチルピリジニウムは、殺菌効果のある成分で歯周病の予防に寄与します。

 

3-4 ポリリン酸ナトリウム・硝酸カリウム・乳酸アルミニウム

 

ポリリン酸ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムなどの成分は、知覚過敏症になった歯面を一時的に保護してしみるのを防ぐ効果を発揮します。

 

3-5 塩化ナトリウム・塩化クロルヘキシジン

 

塩化ナトリウムや塩化クロルヘキシジンは、歯垢を分解して歯面から浮かせて落としやすくする効果を発揮する薬効成分です。

 

3-6 デキストラナーゼ

 

デキストラナーゼは、歯垢が歯石化して歯面に沈着するのを予防する効果がある薬効成分です。

 

ここでご紹介したものは、一般的に市販されている歯磨き粉によく使われている成分です。その他にも、天然由来成分を配合した歯磨き粉などもオーガニック専門店などで取り扱われていることもあります。それぞれの用途に合わせて選択しましょう。

 

4.まとめ

 

このように、歯磨き粉には虫歯予防だけでなく、歯周病予防や知覚過敏症に効果のあるもののなど、その効果は実に幅広いです。それだけに、個々人の用途に合った最適な歯磨き粉を選ぶ必要があるといえます。

CO、C1、C2、C3、C4の違いは

虫歯は進行度に応じて5段階に分類することができます。それぞれに異なる治療法が適応されますので、分類については細かく知っておくと、治療を受ける際に役立ちます。ここではそんな虫歯の分類について、症状や治療法の違いを中心に解説していきます。

 

1.虫歯の分類と治療法

 

虫歯の進行度は、CO、C1、C2、C3、C4の5段階に分けられ、それぞれに対する治療法も異なります。

 

1-1 初期の虫歯(CO)

 

▽初期虫歯の症状

 

初期虫歯では、歯の表面に穴はあいていません。舌で触っても違和感はないのですが、視覚的には白濁していたり、ツヤがなくなっていたりします。痛みやしみるなどの自覚症状はありません。

 

▽初期虫歯の治療法

 

初期虫歯は、基本的に歯を削るようなことはしません。フッ素を塗布するなどして歯の再石灰化を促し、健康な状態に戻すことを目標にします。

 

1-2 エナメル質の虫歯(C1)

 

▽エナメル質の虫歯の症状

 

エナメル質だけに留まった虫歯では、表面に浅い穴があいています。基本的に、痛みやしみるなどの自覚症状はありません。

 

▽エナメル質の虫歯治療

 

虫歯菌に感染したエナメル質を削り取り、レジンなどで修復します。

 

1-3 象牙質まで進行した虫歯(C2)

 

▽象牙質の虫歯の症状

 

象牙質まで進行した虫歯は、深い部分まで穴があいています。また、痛みを感じたり、冷たいものがしみたりすることが多くなります。

 

▽象牙質の虫歯治療

 

虫歯菌に感染したエナメル質および象牙質を削り取ります。病変部が小さければ、レジンを充填するだけで十分ですが、病変部が大きい場合は、インレーと呼ばれる比較的大きな詰め物を装着することとなります。

 

1-4 神経まで進行した虫歯(C3)

 

▽神経まで進行した虫歯の症状

 

虫歯菌が神経まで進行すると、激しい痛みを伴います。また、冷たいものを飲んだ時にしみることが多くなったり、安静時にも痛みを感じる自発痛(じはつつう)が生じたりするようになります。

 

▽神経まで進行した虫歯の治療法

 

虫歯菌に感染したエナメル質および象牙質を削り取り、歯の神経を抜きます。その後、歯の根っこの治療を行い、レジンや金属でできた被せ物を装着します。

 

1-5 歯の根っこだけ残った虫歯(C4)

 

▽残根の症状

 

虫歯が重症化すると、歯の根っこの部分以外は全て侵食され、崩壊します。これを残根(ざんこん)といいます。残根状態になると、歯の神経は死んでいますので、痛みを感じることはありません。けれども、その状態で放置すると細菌感染がさらに根っこの方にまで進み、膿がたまったり、痛みが再発したりすることがありますので注意が必要です。

 

▽残根の治療法

 

残根状態になると、通常の虫歯治療では効果が期待できなくなるため、抜歯をすることがほとんどです。

 

2.歯医者嫌いは損をする?

 

このように虫歯治療というのは、虫歯の進行度によって大きく異なります。上述したように、早い段階で治療を受ければ、それだけ残せる歯質も多くなり、歯の寿命も長くなりますので、早期の受診をお勧めします。歯医者嫌いでなかなか一歩踏み出せずにいる人は、虫歯が進行していくプロセスを思い浮かべてみてください。虫歯は時々刻々と悪化していきます。また、一度失われた歯質はもう二度と取り戻すことはできないのです。

 

3.まとめ

 

一般の患者さんがここまで細かく虫歯の進行について理解しておく必要はありませんが、何となく頭に入れておくことで、受診のきっかけになるかと思います。とくに早期の段階では自覚症状も乏しいので、違和感を覚えたらまず歯科医院を受診してみるというスタンスでも問題はないかと思います。もちろん、定期的に健診を受けることでも早期発見は可能です。

歯ぎしりと歯並びの関係とは

歯にダメージを与えたり、歯列に悪影響をもたらしたりするものにブラキシズムという習慣があります。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、いわゆる歯ぎしりや食いしばりなどの悪習慣の総称です。そんなブラキシズムがもたらす歯並びへの影響について詳しく解説することで、悪習癖の改善へとつなげて頂けたら幸いです。

1.歯ぎしりとは

 

歯ぎしりとは、上下の歯列が噛み合った状態で、前後左右にギリギリとスライドさせる習慣です。強いストレスがかかった時や睡眠時に生じることが多い口腔習癖です。

 

2.歯ぎしりの何が悪いの?

 

私たちの顎の力はとても強いです。ものを噛み切る際には、想像以上の圧力が発生しています。それだけに、とても硬い食べものやなかなか噛みきれないものも、しっかりと咀嚼することで細かく粉砕することができるのです。食事の際に、そんな強い力がかかっても平気なのは、歯と歯の間に食物が介在しているからです。食物がクッションの役割を果たしていますので、咀嚼の際に強い咬合圧がかかっても、特に問題が発生しません。では、歯ぎしりはどうでしょうか。

 

3.歯ぎしりは歯と歯が直接接触する

 

歯ぎしりをしている時は、基本的に食物などが介在しません。上下の歯が直接咬み合った状態で、ギリギリと横にスライドします。この時に、歯にはお互いものすごく強い圧力がかかっており、許容範囲を超えるようなダメージが蓄積していくのです。

 

4.歯ぎしりによる症状とは

 

歯ぎしりによって現れる症状には、まず咬耗(こうもう)が挙げられます。咬耗とは、歯と歯が咬み合うことによって生じる摩耗で、エナメル質の表面が擦り減っていくのです。すると、段々と歯の高さが低くなっていき、歯列全体のバランスも崩れていきます。

 

5.咬み合わせが低くなることの弊害

 

歯の咬耗によって、全体的に咬み合わせが低くなると、上下の歯でしっかりと咬み合う場所が変わってきます。その結果、咬合力を効率的に負担することが難しくなり、そのしわ寄せが個々の歯の乱れを生んだり、顎関節に及んだりします。

 

6.出っ歯になる

 

例えば、歯ぎしりが習慣化して奥歯の咬み合わせが低くなると、前歯が前方に倒れ込んでいくことがあります。その結果、出っ歯と呼ばれる歯列不正が生じます。また、顔貌も変化して、口周囲に現れるしわも増えてくることとなります。

 

7.歯ぎしりの治し方

 

歯ぎしりが習慣化すると、歯並びを始めとした様々な部分に悪影響が及んでくるため、できるだけ早く改善することが望ましいです。とはいえ、歯ぎしりは無意識のうちに行っていることも多いため、どうやったら改善できるのか、なかなか悩ましいところですよね。歯科医院では、そんなお悩みを抱えている方に、スプリント療法などを提案しています。就寝中にマウスピース型の装置を装着することで、歯ぎしりによる咬耗を防ぐだけでなく、徐々に歯ぎしりそのものを解消していこうとする治療法です。実際にこの方法で、歯ぎしりが治る方が一定数いますので、適応できるケースであれば、是非とも受けたい治療法のひとつといえます。

 

8.ストレスをため込まない

 

歯ぎしりとストレスには、密接な関係がありますので、日常生活の中で、できるだけストレスをため込まないようにすることが、歯ぎしり改善の第一歩といえます。強いストレスを受けたとしても、あまり気にしないようにするとか、その際、意識して歯ぎしりをしないようにするなどの取り組みが重要です。歯ぎしりは歯の寿命を縮めるだけでなく、歯並びを悪くする要因にもなりますので、出来る限り解消した方が賢明といえます。

 

歯磨きは1日何回目安に実施すべきですか?

虫歯や歯周病に留まらず、あらゆる口腔疾患の予防に寄与するのが歯磨きです。そんな歯磨きを毎日適切に行っていくことが口腔衛生の基本といえるでしょう。では実際のところ、歯磨きは1日何回するのがベストなのでしょうか。

 

1.理想は毎食後

 

歯磨きの回数は、理想をいうと毎食後です。朝昼晩の食事の後だけでなく、間食をした際にもその都度、歯磨きをすることがベストといえます。ただ、現実問題として私たちには社会生活があり、毎食後に歯磨きを実施するのは困難な人が多いです。また磨き過ぎるのも逆に良くないのでは?」という疑問を持たれる方もいらっしゃることかと思います。

 

2.磨き過ぎは良くない?

 

「磨き過ぎ」という言葉には、2つの意味が含まれています。1つは1回の歯磨きで長時間ゴシゴシと磨き過ぎるという意味で、もう1つは1日に5回も6回も歯を磨くという、歯磨きの回数が多いという意味です。いずれも正しくもあり誤りでもあるといえます。なぜなら、適切な方法でブラッシングするのであれば、いずれも口腔衛生にとっては必要なことだからです。逆に不適切なブラッシングであれば、いずれも口腔内に悪影響を及ぼすため、控える必要があります。そこで、この2つの方法について、正しいと思われるケースを解説します。

 

3.1日1回は時間をかけてしっかり磨く

 

理想の歯磨きとしては、1日1回はプラークフリーな状態を作ることが求められます。プラークフリーとは、歯の表面に歯垢が一切残っていない状態で、舌で触ってもツルツルとした感触を確かめることができます。こうした状態を作るには、3分とか5分といった短い時間のブラッシングでは不可能です。本当にしっかり磨こうとしたら、10分以上はかかるものとお考えください。かなり長い時間歯磨きをすることになりますので、テレビを見ながらでも構いませんので、1日1回は実践してみてください。

 

4.軽めの歯磨きを毎食後行う

 

朝昼晩の食後はもちろんのこと、何かを口にしたら必ず歯磨きをするよう、習慣づけましょう。歯磨きといっても、30秒とか1分程度、軽めにブラッシングするだけでも構いません。とにかく、口腔内の食べカスや歯垢が残らないよう、口をゆすぐ感覚で歯磨きを行いましょう。そうすると、自ずと歯磨きの回数が3回以上になりますが、長時間行うものではありませんので、歯や歯肉に対する悪影響はほとんどないといえます。

 

5.誤ったブラッシング法

 

ここまで、適切な方法で磨くのであれば、口腔衛生や歯にとって良い影響をもたらす歯磨きを解説してきましたが、誤ったブラッシング法を実施してしまうと、全てが悪影響に変わりますので注意しましょう。誤ったブラッシング法とは、硬い歯ブラシで無闇にゴシゴシと強く磨き続けることです。

 

エナメル質は人体において最も硬い組織ではありますが、毎日強いブラッシング圧で磨き続けると、表面に傷ができるだけでなく、少しずつ擦り減っていきます。その結果、虫歯になりやすくなったり、歯周病を誘発したりすることとなりますので、絶対に避けなければいけません。とりわけ、そうしたブラッシング習慣のある人が、上述したような長時間の歯磨きを実践したり、毎食後歯磨きを行ったりすると、歯へのダメージが倍増します。

 

6.まとめ

 

歯磨きの回数は、毎食後がベストです。それを実践することが難しければ、最低2回は実施しましょう。朝食後と夕食後の2回は、歯磨きをしなければ虫歯や歯周病の発症リスクが高まります。それにプラスアルファして何回できるかによって、さらに口腔疾患の予防率が変わってきます。

歯周炎の原因とは

日本人の多くが罹患していると言われている歯周病ですが、その原因が何なのか、皆さんはご存知でしょうか。原因がはっきりすれば症状の改善や予防をはかることも可能ですので、是非とも知りたい点ですよね。ここではそんな歯周病の原因について詳しく解説します。

 

1.歯周病の種類

 

まず始めに歯周病の種類についてですが、大きく2つに分けることができます。1つは比較的軽症といえる歯肉炎で、もう1つは比較的重症といえる歯周炎です。ここでは主に歯周炎の原因やその対策法についてご紹介します。

 

2.歯周炎とは

 

歯周炎とは、歯周病菌が原因で発症する病気で、歯茎だけでなく歯根膜や歯槽骨にまで炎症が広がっていることが多いです。歯周ポケットも深くなっており、歯がグラグラと動揺しているケースも珍しくはありません。歯周炎はとても多様な症状を引き起こす病気なのですが、根本的な原因はとてもシンプルです。

 

3.歯周炎の根本的な原因とは

 

歯周病の一種である歯周炎は、歯周病菌への感染によって引き起こされます。ですから、歯周炎を感染症としてとらえることもできます。ただ、日本人の8~9割が罹患しているとまで言われている歯周病ですから、感染症という概念はもはやないといえるでしょう。では歯周病患者さんは、いつどこでどのように歯周病菌へと感染するのでしょうか。

 

4.口腔内には無数の細菌が生息している

 

まず始めに、私たちの口腔内には無数の細菌が生息していることを確認しておきましょう。日本人に限らず、ほとんどの人の口腔内には虫歯菌や歯周病菌が存在しています。すると「それならみんな虫歯や歯周病にかかっているということ?」といった疑問を持つ方も多いことでしょう。ここで注意しておきたいのは、口腔内に細菌が存在しているからといって、必ずしも虫歯や歯周病を発症しているというわけではない点です。

 

5.増殖して病原性を発揮する

 

「歯周炎を発症」するとは、単に少数の歯周病菌が存在していることではなく、歯石や歯周ポケットの中で病原性を持つくらいまで増殖した状態を指します。ある意味これを「歯周病菌への感染」とも呼んでいます。

 

6.歯周病菌への感染経路

 

虫歯菌や歯周病菌への最初の感染は、多くの場合、母親を経由していると考えられています。いわゆる垂直感染、もしくは母子感染と呼ばれるもので、母親とキスをしたり、食べ物を口移して与えたりする際に、口腔内の歯周病菌などが乳幼児へと伝わっていくのです。

 

7.増殖させないことが大事

 

さて、口腔内に歯周病菌が存在していたとしても、少数であれば問題ありません。それが増えるきっかけとなるのは、歯垢や歯石の沈着です。歯の表面にこれらの汚れが沈着することで、歯周病菌の温床となりますので、病原性を持つまでに増殖します。あるいは、歯周炎によって生じる深い歯周ポケットも細菌増殖の温床となりますので、注意が必要です。逆にいえば、これら歯周病菌が喜ぶような環境を作らず、増殖させないようにすれば、歯周炎の発症を防ぐことが可能といえます。

 

8.歯石の形成を抑える

 

歯石は歯垢が石灰化した物質で、形成までにそれなりの時間がかかりますが、一度形成されると、歯ブラシで取り除くことは不可能となるため、形成前に歯垢を除去することが重要です。歯石ほど歯周炎発症のリスク因子になるものはありませんので、歯石の形成をいかに抑えるかが歯周炎発症予防の鍵を握るといえるでしょう。

 

9.まとめ

 

このように、歯周炎は歯垢や歯石、深い歯周ポケットを温床として増殖した歯周病菌が引き起こす病気ですので、いかに普段から汚れをため込まず、プラークフリーの状態を維持できるかが重要なってきます。

根管治療とはどんな治療であるのか

根管治療(こんかんちりょう)という言葉は、一般の人からしたらあまり馴染みのないものですよね。どういった症例で行われ、どのような処置を施すのか。そもそも根管とは何なのか。ここではそういった疑問に関して、わかりやすく解説します。

1.根管とは

私たちの歯は、歯冠(しかん)の部分と歯根(しこん)の部分によって構成されています。歯冠は歯の頭の部分で、口腔内に露出しており、肉眼で確認できる歯質と言い換えることができます。歯根は歯の根っこの部分で、健康な人であれば歯茎や歯槽骨の中に埋まっていますので、肉眼では確認することができません。根管は、この歯根の内部に存在する空間を指します。

2.根管には歯の神経や血管がある

歯根の内部になぜ空間が存在するかというと、歯に対して栄養を供給するための血管や神経が分布しているからです。いわゆる歯髄(しずい)と呼ばれるものですね。歯髄がなければ歯は死んでしまいますので、なくてはならない組織といえます。また、それを収める空間である根管も、非常に重要な構造であるといえます。

3.虫歯によって根管が汚染される

虫歯は重症化すると、歯冠の部分だけでなく、歯根の部分にまで及びます。具体的には根管内にまで虫歯菌が侵食し、歯髄に炎症を起こしたり、失活させたりするのです。そうなると、根管治療の適応となります。簡単にいうと歯の根っこの治療です。

4. 根管の形を整える

根管治療は、まず虫歯菌によって汚染された歯質を取り除くことから始まります。専用の器具を使って、地道に汚染された歯質を除去していきます。同時に、根管充填(こんかんじゅうてん)をしやすいような形態に、根管を形成していきます。

5. 根管内を消毒する

根管治療では、根管内を無菌状態にすることも、ひとつの大きな目的となっています。治療前の状態では、虫歯菌などによって根管内が汚染されていますので、きれいに消毒する必要があるのです。もしもここで、汚染物質の取り残しなどが生じれば、再び感染が引き起こされますので注意が必要です。そのため、根管消毒は時間をかけてじっくり行われます。

6.根管内を塞ぐ

根管内の消毒が終わったら、最終的にその空洞を塞ぎます。ガッタパーチャポイントと呼ばれるゴムのような材料を根管内に挿入し、隙間がなくなるようにします。これを根管充填といいます。根管充填が不十分だと、根管内に隙間が残存したまま人工歯を被せてしまいますので、二次感染のリスクが高まります。

7.根管治療の意義とは

根管治療が適応される症例というのは、歯冠の部分がほとんど残っていません。そのため、なぜわざわざ歯根の部分を治療してまで、残す必要があるのか疑問に思われる患者さんも少なくありません。いっそのこと、残骸となっているような歯根なんて抜いてしまえば治療もすぐ終わるのでは、と思われることでしょう。けれどもそれは大きな間違いです。例え歯冠の部分がボロボロになっても、天然の歯の根っこを残せるというのは、咀嚼機能や口元の審美性において非常に有益なことなのです。

8. 歯根が担っている役割

歯根があると、咀嚼をした際に生じる圧力を適度に緩和することができます。これは歯根が歯根膜という天然のクッションと連動しているからです。また、何かものを食べた時の食感を敏感に感じ取ることができたり、咀嚼圧を調節したりする際にも役立ちます。それに加えて、歯根があることでブリッジや入れ歯といった大型の補綴装置の装着を回避できるというメリットもあります。

 

以上のことから、根管治療を行う意義は大きいといえます。根管治療の手順はとても複雑なのですが、結果的に歯根を保存することのできる素晴らしい治療といえます。

メタルフリーになることでどのようなメリットがあるのか

 

歯科治療では様々な場面で金属の材料が使われます。詰め物や被せ物、入れ歯やブリッジなど、数え上げればきりがありません。そうした場面で金属ではなく他の材料を使うことで、メタルフリーな治療を実現することができますが、そのメリットとはどのようなものなのでしょうか。

1.金属が使われる歯科治療

 

歯科治療ではまず、インレーと呼ばれる詰め物で金属が使われることがあります。とりわけ奥歯の治療では、メタルインレーを装着することが多いです。また、クラウンと呼ばれる被せ物も同様です。それに加えて、入れ歯にも金属が使われていますね。主にクラスプというバネの部分に金属が使われており、義歯床(ぎししょう)という口蓋などに接する部分に金属が用いられることもあります。その他、ブリッジやインプラントにおいても金属を使用する場面が多いといえます。このように、歯科治療と金属というのは、かなり密接な関係があるといえるのです。

2.メタルフリーにするメリット

 

上述したような各歯科治療において、金属を別の材料に置き換えるメリットについて詳しく解説します。

 

2-1 金属アレルギーが起こらない

 

メタルフリーにする第一のメリットは、金属アレルギーの防止です。歯科治療による金属アレルギーというのは意外に多いもので、最近では治療前にパッチテストなどの検査を行うことも珍しくありません。それだけに、金属アレルギーを発症するリスクがないメタルフリーの歯科治療は、非常にメリットが大きいといえます。

 

2-2 歯茎への着色がない

 

歯科治療に用いられている金属のパーツは、口腔内に露出していることが多いです。つまり、絶えず唾液などの刺激に晒されているため、金属イオンが溶け出しやすい環境にあるのです。その結果、金属イオンが歯茎へと沈着し、メタルタトゥーの症状を引き起こします。メタルフリーにすればその心配がなくなります。

 

2-3 見た目が美しい

 

金属が口腔内にあると、それだけでかなり目立ちます。ですから、保険診療でも前歯の治療を行う際には、金属を使用することはありません。そうした金属による審美性の低下は、メタルフリーにすることで劇的に改善されます。それはインレーやクラウンなど、補綴装置の種類に関わらず、全てのケースにおいていえることです。

 

2-4 歯を削る量が少ない

 

作成する補綴装置の種類にもよりますが、メタルフリーにすることによって、基本的には歯質の削除量を抑えることができます。詰め物にしろ、被せ物にしろ、それらを金属で作ろうとすると必然的に歯質削除量が多くなってしまいます。そこでセラミックなどの材料に置き換えることでメタルフリーな治療が実現でき、残せる歯質も増えるのです。

 

2-5 硬さや弾力性が天然歯に近い

 

金属と天然歯を比べると、やはり金属の方が硬く、弾力性も大きくことなります。その結果、歯根の破折などのトラブルが引き起こされやすくなるのです。一方、メタルフリーな素材であれば、比較的天然歯に近い性質を持っているため、金属材料よりは種々のトラブルが起こりにくいというメリットが挙げられます。

3.優れた点の多いメタルフリー治療

 

このように、メタルフリー治療にはメリットが沢山存在します。見た目が良くなるだけでなく、機能性や耐久性も向上することがあるため、非常に優れた歯科治療といえるでしょう。ですから今現在、歯科材料による金属アレルギーに悩まされていたり、口元の審美性の低下を気にされていたりする方は、メタルフリー治療をご検討ください。歯科治療における多様な場面で金属からセラミックなどへの置き換えが可能となっています。

歯の土台をファイバーコアにするメリット

歯の根っこにまで虫歯が進行した症例では、コアと呼ばれる歯の土台を作る必要が出てきます。この土台の上に、いわゆるクラウン(被せ物)を装着するのです。従来コアというパーツは、金属で作られることが多いのですが、最近ではファイバー樹脂製のコアも広く活用されるようになってきました。ここではそんなファイバーコアのメリットについて詳しく解説します。

 

  • 歯質と一体化しやすい

 

ファイバーコアは、メタルコアよりも比較的歯質に近い性質を持っています。そのため、設置した際には歯質と一体化しやすい傾向にあります。一方、メタルコアは文字通り金属で作られていますので、当然のことながら歯質とは一体化しにくいですので、接着剤による機械的接着に頼ることとなります。

 

  • 歯根が割れにくい

 

私たちがものを噛む際には、とても強い力が歯にかかります。天然の歯であれば、歯冠から歯根まで一体化しているだけでなく、歯の神経や歯根膜なども正常に働いていますので、咀嚼に圧力を上手く緩和できますが、クラウンなどの人工歯となると話は別です。とくにメタルコアは、歯質との接着性があまり良くないため、一体化しないことがあります。そうなると、歯の中心に金属の棒が入っているような状態となり、それがくさびの役割を果たして歯根を割ってしまうことも珍しくはないのです。

 

  • 弾力性が天然の歯に近い

 

ファイバー樹脂の弾力性は、金属よりも天然の歯に近くなっています。これはとても大事な要素で、例えば歯に大きな力が加わった際に、異なる弾力性の部分が存在したらどうなるでしょうか。非常に硬く弾力性が低いメタルコアの部分が圧力を吸収せず、人工歯や歯質の部分に過剰な負担がかかることになりますよね。その結果、人工歯や歯質が割れてしまうのです。

 

  • 腐食しない

 

金属で作られたメタルコアは、経年的に劣化したり、唾液の成分によって腐食したりしますが、ファイバーコアその心配がありません。なぜなら、ファイバー樹脂のみで作られているからです。

 

  • 歯茎への着色がない

 

メタルコアには銀が含まれているため、唾液などによって銀イオンが溶出することがあります。それが歯茎へと沈着すると、メタルタトゥーと呼ばれる症状が現れるのです。ファイバーコアには当然、銀などの金属が含まれていませんので、メタルタトゥーが生じることもありません。

 

  • 金属アレルギーが生じない

 

メタルコアの場合は、歯茎への着色だけでなく、金属アレルギーの発症というリスクも存在します。ファイバーコアを用いれば、金属アレルギーの心配もなくなります。

 

  • 見た目が良くなる

 

コアをメタルで作成すると、結果的に人工歯から金属の色が透けて見えることがあります。その結果、審美性が低下するというデメリットが生じます。一方、コアをファイバー樹脂で作成した場合、人工歯から透けて見えるようなことがないため、本物の歯に近い美しさを再現することが可能となります。

 

  • 歯質削除量が少ない

 

ファイバーコアとメタルコアでは、前者の方が歯質の削除量が少なくて済みます。歯質は一度削ってしまうと、もう二度と元に戻すことはできませんので、削除量が少ないに越したことはありません。また、歯質を多く残せるほど、歯の寿命も長くなりますので、削除量の違いは非常に大きいといえます。

 

  • まとめ

 

このように、歯の土台となるコアの部分に、メタルではなくファイバーを使うメリットは多数存在します。歯茎への着色や金属アレルギーの防止など、避けることのできる副作用も多いため、非常に優れた治療法といえます。

 

根管根充とはどのような状態のことをいうのか

歯の根っこの治療に「根管充填(こんかんじゅうてん)」という処置があります。専門的には根充(こんじゅう)と略されることがある処置で、虫歯治療を行う上で非常に大切なプロセスといえます。ここではそんな根管充填について詳しく解説します。

 

  • 歯の根っこには空洞がある

 

歯根と呼ばれる歯の根っこの部分には、空洞が存在します。専門的には歯髄腔と呼ばれる空洞で、健康な歯根であれば、本来歯の神経や血管などが存在しています。これらが虫歯によって侵されると、抜髄(ばつずい)という処置を施して神経を抜くことになりますので、空洞だけが残ることとなります。

 

  • 歯髄腔は埋める必要がある?

 

歯の根っこの治療が終わると、歯髄腔を埋める必要が出てきます。なぜなら、歯の中に何もない空洞が存在していると、そこへ細菌などが侵入して、再び虫歯を発生させる可能性が出てくるからです。そのため、歯の神経を抜いて綺麗に消毒した後は、特殊な歯科材料によって歯髄腔を埋めます。これを専門的に根管充填と呼んでいるのです。

 

  • 何で空洞を埋めるの?

 

根管充填には、主にガッタパーチャポイントと呼ばれる歯科用材料が用いられます。ガッタパーチャポイントは、ゴムのような素材でできており、体に対する刺激性はほとんどありません。そうした為害性の低い歯科材料を使って、根管にできた空洞を埋めることとなります。

 

  • 根充の状態はX線画像で確認できる

 

過去に根管充填をしたことがある患者さんであれば、X線写真を撮影することで一目瞭然です。ガッタパーチャポイントには、造影効果のある成分が含まれていますので、デンタルやパノラマX線写真を取ることで、充填された状態を視覚的に確認することができます。X線画像でどのように写るかというと、基本的に金属と同じで、ガッタパーチャポイントが充填されている部分が白く造影されます。

 

  • 根管を塞ぐような形で充填されているのが理想

 

根管充填は、歯髄腔を塞ぐことが目的ですので、X線画像で見た際に、歯髄腔を塞ぐような形で充填されているのが理想です。根管充填が失敗していると、根管の先の方に空洞が存在していたり、側方に隙間が生じていたりします。そうした状態だと、根管内が再感染しやすくなるため注意が必要です。

 

  • 根管充填が不十分だと

 

根管充填が適切に行われないと、根管内への再感染が起こります。具体的には、歯冠の方から細菌などに汚染された液が根管内へと流れ込み、再び根管内に病巣を作るのです。そうなると、再根管治療と呼ばれる処置が必要となります。

 

  • 再根管治療とは

 

再根管治療とは、文字通り再び根管治療を行うことで、根管内の消毒から始めなければいけません。病巣が根尖にまで及んでしまった場合は、最悪のケースで抜歯が考えられますので、どう診断するかが重要なポイントとなります。

 

  • 根管治療はとても時間のかかるもの

 

虫歯が歯髄にまで到達すると、根管治療を行わなければならなくなります。根管治療は、歯を削ったり、レジンを詰めたりする治療とは比べ物にならないほど、時間のかかるものです。同時に、技術を要するものです。いかに根気強く根管消毒を行い、緊密な根管充填を実施するかによって、予後が大きく変わります。

 

  • 虫歯が歯髄に達する前に治療する

 

このように、根管充填を始めとした歯の根っこの治療というのは、とても厄介なものですので、可能であれば虫歯菌が歯髄に到達する前に治したいものです。そうすることで、残せる歯質の量も格段に増えますし、治療にかかる費用や時間も省くことが可能です。

根治するまでにどのくらいの期間が必要なのか?

虫歯治療は、進行の度合いによって治療期間も大きく変わります。ですから、一概に何週間で治療が終わるともいえません。中でも歯の根っこにまで虫歯が進行したケースに関しては、根治するまでにかかる期間が大きく異なります。ここではそんな虫歯治療にかかる期間について詳しく解説します。

 

  • 軽度の虫歯

 

エナメル質だけに留まっているような軽度の虫歯であれば、数回の通院で治療が完了します。虫歯菌に侵食されているエナメル質を削り、そこへレジンなどの修復材料を詰めることで治療は完了します。必要に応じてX線撮影をしたり、経過観察のために来院してもらったりすることはありますが、それほど長い期間はかかりません。

 

  • 中等度の虫歯

 

象牙質まで到達している中等度の虫歯では、単に歯を削ってレジンなどを詰めるだけでなく、その他にもいろいろな処置が必要になることがあります。その結果、1~2回の通院では治療が完了せず、もう少し長い時間かかるケースも珍しくありません。

 

  • 重度の虫歯

 

歯の神経にまで達したり、歯の根っこにまで及んでいたりする重度の虫歯は、比較的長い期間の治療が必要となります。虫歯菌に侵されているエナメル質や象牙質を削ることはもちろんのこと、歯の根っこ内の特別な治療が必要となります。専門的には根管治療と呼ばれるもので、この治療にかかる期間が比較的長いといえるでしょう。

 

  • 根管治療とは

 

根管治療とは、歯の根っこの中に感染が広がったケースにおける処置法で、可能な限り根っこの部分を残すよう、徐々に根っこの中を消毒していきます。例えばここで、ものすごく強い消毒薬を使うことができれば、あっという間に根管治療も終わるのですが、いかんせん歯の根っこも生体の組織ですので、刺激の強い薬剤を使用することはできません。そこで、根管を汚染している細菌だけを殺せる程度の薬剤を用いて、少しずつ除菌を行っていきます。

 

  • 根管治療にかかる期間は?

 

根管治療にかかる期間は本当にケースバイケースです。2~3回で消毒が完了するケースもあれば、数ヵ月かかるケースもあります。これは根管の形態や病態など様々な要因が絡んでくることなので、一概にはいえないのです。ただ、大切なのは、いくら時間がかかってもしっかりとした根管治療を行うことです。治療期間を短縮するために、根管消毒を疎かにすると、結果的に再発を招き、それ以前よりもさらに悪い病態へと進行することがあります。

 

  • 消毒が完了したら根管充填

 

歯の根っこの消毒が終わったら、そこへガッタパーチャポイントなどの歯科用材料を充填します。歯の根っこの中に隙間があると、再びそこで感染が生じることがあるため、歯科用材料で埋める必要があるのです。

 

  • 被せ物を装着して治療完了

 

根っこの部分の治療が完了したら、最後は歯冠を回復するための治療です。クラウンなどの被せ物を装着することで、本来の歯の姿へ回復させます。この被せ物を作る期間も材料や症例に応じて大きく変わってきます。

 

  • まとめ

 

虫歯治療にかかる期間は、ケースに応じて様々です。ただひとつ言えるのは、進行度が低ければ低いほど、根治までの期間も短くなるということです。初期の虫歯であれば、来院した当日にフッ化物を塗布するなどして、治療が終わることも珍しくはありません。軽度や中等度の虫歯に関しても、数回の通院で根治することがほとんどです。ただ、いわゆるC3やC4と呼ばれる重度の虫歯になると話は変わり、根治までに数ヵ月を要することもあります。ですから、虫歯というのはとにかく早期発見早期治療が最善といえます。

歯間ブラシとフロスどちらを使うべきですか?

歯の補助的な清掃器具に、歯間ブラシとフロスというものがあります。どちらも歯と歯の間の汚れを取るという意味で、同じ用途に使われる器具ですが、両者の違いは少しわかりにくいですよね。ここではそんな歯間ブラシとフロスの違いについて詳しく解説します。

 

  • 歯間ブラシとは

 

歯間ブラシとは、1本の糸が設置された小さなブラシで、歯と歯の間に挿入することで汚れをかきだす器具です。市販されている歯間ブラシの形態は様々ですが、用途は全て同じであるとお考えください。

 

  • フロスとは

 

フロスとは、歯間ブラシの糸の部分だけからなる清掃器具で、この糸を上手く使うことで歯と歯の間の汚れをかきだしていきます。フロスはメジャーのように軸に巻かれた状態で、その都度、必要な分だけ切り取って使う形となります。おそらく皆さんも一度は歯科医院で、衛生士さんからフロスによる清掃を受けたことがあることでしょう。

 

  • どちらも用途は同じ

 

歯間ブラシとフロスは、どちらも歯と歯の間のプラークや食べカスを取り除くという点で、用途は同じです。そういわれると、ますますどちらを使ったら良いか迷ってしまいますよね。そこでいくつかの点で、2つの清掃器具を比べてみましょう。

 

  • 使いやすいのは歯間ブラシ

 

特に何の訓練もなく、すぐに使えるのは歯間ブラシです。歯間ブラシには操作しやすいように柄の部分が設置されていますので、少し小さくはありますが、歯ブラシを持つような感覚で清掃することができます。また、すぐに使えるように糸の部分がピンと張っているのもありがたい点です。一方、フロスには柄が付いていませんし、単なる1本の糸でしかないため、使いこなすのがなかなか難しいです。

 

  • 清掃性が高いのはフロス

 

続いて清掃性の観点からですが、歯と歯の間の汚れをしっかりと落とせるのは、間違いなくフロスです。フロスは糸の部分のみで構成されていますので、使い方によってはどんなに乱れた歯列の部分にも挿入することが可能です。一方、歯間ブラシは柄の部分があることで、挿入できる角度や場所が非常に限られてきます。そのため、どんなに工夫しても取り除けない汚れが出てくるのです。

 

  • 値段はフロスの方が安い

 

市販されている歯間ブラシやフロスは色々な種類がありますので、商品そのものの単価は別として、コストパフォーマンスは確実にフロスの方が高いです。まず、歯間は1本使用したら捨てることが多く、使用できる糸の長さもフロスより短いです。一方、糸の部分からのみ構成されているフロスは、柄の部分の材料費などがかかっていないこともあり、結果的にコストを下げることができます。

 

  • フロスの使い方を歯科医院で学ぶのが一番

 

歯科医院の定期検診などでは、歯科医衛生士さんがフロスの使い方を教えてくれます。例えば八重歯があったり、乱杭歯があったりすると、普通の使い方では汚れを落とすことが難しいですが、口腔衛生の専門家である歯科衛生士さんなら、効率的な方法を提案してくれます。それを学び取ることによって、フロスを有効に使えるようになります。

 

  • フロスが使えればコストが下がり清掃性も高まる

 

もしもフロスを活用できるようになれば、清掃器具にかかるコストを抑えることができます。そして何より、歯と歯の間の磨き残しが少なくなるので、口腔衛生の面からも非常に有益といえるでしょう。これから数十年間使い続けることを考えたら、今のうちに頑張ってフロスの使用法を習得することをお勧めします。ちなみに、多くの虫歯や歯周病は、歯と歯の間の汚れから始まるため、この部分のケアを徹底することが虫歯予防や歯周病予防に不可欠といえます。

 

 

チョコレートを食べると虫歯になりやすいですか?

虫歯の原因いえば「甘いもの」ですよね。特にチョコレートなどは、甘いものの代表といえますので、虫歯を心配されている方にとっては、避けるべき食品なのかが気になる点です。ここではそんなチョコレートと虫歯との関係について詳しく解説します。

 

  • 虫歯の原因とは?

 

まず虫歯の根本的な原因について考えてみましょう。虫歯は、歯の表面に虫歯菌が付着することで生じます。ミュータンス菌に代表される虫歯菌が歯の表面から歯質を溶かし、穴をあけていくのが虫歯ですよね。ここで注意して頂きたいのが、虫歯菌が何をエサにしているかです。

 

  • 虫歯菌のエサは砂糖(スクロース)

 

虫歯菌は、砂糖であるスクロースをエサとして生命活動を営んでいます。つまり、砂糖が多く含まれる食品は、虫歯菌の増殖を促すとお考えください。ただ、同じように甘い食品でも、砂糖でなければ、虫歯菌がエサにできないという点も知っておきましょう。つまり、甘ければすべてが虫歯につながるというわけではないのです。

 

  • チョコレートの主成分は?

 

市販されているチョコレートの多くには、砂糖であるスクロースが豊富に含まれていますので、虫歯の原因になります。お子様の虫歯もチョコレートが原因で発生するケースは珍しくありません。

 

  • チョコレートは口腔内に残りやすい

 

チョコレートが虫歯の原因になりやすいのは、単に砂糖が沢山含まれているという理由だけではありません。チョコレートはネバネバとした性質上、歯の表面に残りやすい傾向にあるのです。例えば、間食としてチョコレートを食べて、そのまま歯磨きをせずに放置すると、歯の表面などにチョコレートの残骸が残ることとなります。普通の食品であれば、唾液や飲み物によって自然と洗い流されていくのですが、チョコレートには強い粘性があるため、口腔内に残留します。それらは虫歯菌のかっこうのエサとなるため、虫歯を誘発する要因となるのです。

 

  • 砂糖が含まれていないチョコレートは?

 

チョコレートは虫歯の原因になると聞いても、そう簡単にはやめられないですよね。チョコレートが大好きな人は沢山いらっしゃいますし、チョコレートを食べることで集中力が増したり、ストレスが解消されたりすることも事実です。そんな方には、砂糖が含まれていないチョコレートをお勧めします。最近では、無糖のチョコレートが市販されていますので、虫歯予防には最適です。

 

  • チョコレートを食べた後に歯磨きをする

 

砂糖が含まれていないチョコレートは、確かに虫歯予防には有用ですが、チョコレート好きにとって味気ないのも事実です。結局、砂糖が含まれていなければ、チョコレートを食べたあとの幸福感なども得られないことが多いです。そういった場合は、気にせずにチョコレートを食べましょう。ただし、間食した後にはしっかりと歯を磨いてください。大切なのは、チョコレートを食べた後、口腔内に残留させないことです。チョコレートを満足いくまで食べて、そのあと歯磨きなどのオーラルケアをしっかり行えば、口腔内への残留を防ぐことができますし、虫歯菌のエサとなることもなくなるため、虫歯の発生も抑えられます。

 

  • 砂糖は沢山の食品に含まれている

 

ここまで、チョコレートに含まれる砂糖と虫歯に関するお話をしてきましたが、日本食は全般的に砂糖が含まれていることが多いため、気を付けるべきなのはチョコレートだけではないということを知っておきましょう。肉じゃが、すき焼き、焼き鳥など、どれも美味しい日本食ですが、砂糖が沢山含まれていますので、チョコレートと同じように虫歯予防への配慮が必要といえます。

メールで相談する(無料)インターネットでのご予約はこちら
コンテンツメニュー
診療時間
 月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日土曜日日曜日
10:00~19:00      

※定休日は、日曜日・祝日です。

開院 開院 閉院 閉院 



〒614-8297
京都府八幡市欽明台西31-8

TEL/FAX 075-981-6874


link_g 診療時間・アクセス

八幡市・京田辺市・枚方市で一般歯科、小児歯科、矯正歯科、審美歯科、インプラント、ホワイトニング、口腔外科のことなら、あゆみ歯科クリニックにご相談下さい。

診療案内