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歯と顎の健康の秘密:昔と現代の食生活の違いがもたらす影響とは? 

模型と顎

はじめに:歯と顎の関係性の重要性

歯と顎は、私たちの食事、発音、顔のバランスを支える重要な部位です。しかし、現代の日本人の生活習慣や食生活の変化が、これらに大きな影響を与えていることをご存知でしょうか?この記事では、昔と現代の日本人の食生活の違いをふまえ、顎の力の重要性や歯への影響についてわかりやすく解説します。

 

昔の日本人の食生活と顎の発達

昔の日本人は、狩猟や農耕を中心とした生活を送り、自然食品を摂取していました。この食生活には、次のような特徴がありました。

・硬い食材が中心

例えば、玄米や野菜、干物など、咀嚼(そしゃく)が必要な食品が多かったため、顎が自然に鍛えられていました。

・咀嚼回数の多さ

食材の硬さにより、一回の食事で何十回、何百回と噛む必要があり、これが顎の筋肉や骨の発達を促していました。

このような食生活が、しっかりした顎の骨格と整った歯並びを形成する要因となっていました。

 

野菜、干物

 

現代の食生活の変化と影響

 

ハンバーガー

一方で、現代の日本人の食生活には、次のような変化が見られます。

・柔らかい食材の増加

パン、麺類、加工食品など、咀嚼回数が少なくて済む食品が主流となっています。これにより、顎の筋力低下が懸念されています。

・食事時間の短縮

忙しいライフスタイルから、早食いが一般化しています。これは、咀嚼不足を引き起こし、顎の成長不足や歯並びの乱れにつながります。

甘い食品の摂取増加

・お菓子や清涼飲料水の摂取増加により、虫歯や歯周病のリスクが高まっています。

これらの要因が、現代人の顎の小型化や歯列不正(歯並びの乱れ)を助長していると考えられています。

 

顎の力が歯や体全体に与える影響

・歯並びと顎の力の関係

顎の力が十分でないと、歯を正しい位置に保つことが難しくなり、歯並びが乱れます。これは、見た目だけでなく、噛み合わせや発音、消化機能にも悪影響を及ぼします。

・全身の健康への影響

顎がしっかり機能しないと、体全体にも影響します。例えば、咀嚼不足により消化器官に負担がかかるほか、顎の力の低下が肩こりや頭痛、姿勢の悪化を引き起こすことがあります。

・呼吸機能への影響

顎の発達不足が口呼吸を助長するケースもあります。これにより、口内環境の悪化や睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。

 

健康な歯と顎を守るための対策

・硬いものを意識して食べる

例えば、ナッツや根菜類、硬めのパンなどを積極的に取り入れましょう。

・咀嚼回数を増やす

一口ごとに30回以上噛む習慣をつけることで、顎の筋肉が鍛えられます。

・正しい姿勢を意識する

姿勢が悪いと、顎の位置や咬合に影響を与えます。椅子に座るときや食事中の姿勢にも注意しましょう。

・歯科医への定期的なチェック

歯並びや顎の成長に不安がある場合は、早めに専門家の意見を聞くことが重要です。

 

まとめ:歯と顎の健康を未来につなぐ

 

昔と現代の日本人の食生活の違いが、歯と顎の健康に大きな影響を与えていることがわかりました。硬いものを噛む習慣や咀嚼回数を増やすことで、健康な顎と歯を保つことができます。今からでも実践できる小さな習慣を積み重ね、未来の健康を守りましょう。

説明している様子

 

医療法人隆歩会 理事長 福原隆久

医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック

理事長 福原 隆久 監修

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