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歯科医師が教える!インプラントと入れ歯の違い

入れ歯とインプラントの写真

 

歯を失った場合、どのような治療法を選ぶべきか迷われる方も多いでしょう。歯がなくなる理由は、むし歯、歯周病、事故、ケガ、加齢などさまざまですが、一度失った歯は自然に再生することはありません。失った歯を補うための治療法としては、「部分入れ歯」と「インプラント」が代表的です。それぞれの特徴を理解し、適切な選択をすることが大切です。

 

歯を失ったまま放置するリスク

「1本くらい歯がなくても大丈夫」と思っていませんか?実は、歯を失った状態を放置しておくと、口腔内全体にさまざまな悪影響が生じます。歯がなくなった場所に隣の歯が傾き、噛み合わせのバランスが崩れたり、歯並びが変化してしまうことがあります。その結果、顔の輪郭や姿勢にまで影響が及ぶことも。また、歯がないスペースは食べ物の残りや汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。歯の健康を維持するためにも、早めの対応が重要です。

 

歯を失った際の治療法

歯を失った際に選択肢となるのが「部分入れ歯」と「インプラント」です。どちらもメリットとデメリットがあり、自分に合った治療法を選ぶためには、それぞれの特徴を理解することが重要です。

 

部分入れ歯のメリットとデメリット

 

メリット

部分入れ歯は、失った歯の両隣の健康な歯にワイヤーを引っかけて固定する義歯です。取り外しが可能なので、違和感があれば作り直すことができ、手入れもしやすいのが特徴です。また、健康保険が適用される場合もあり、比較的低コストで治療が可能です。

 

デメリット

一方で、部分入れ歯は噛む力が天然の歯に比べて30〜40%低下するため、食事時に違和感を覚えることが多く、慣れるまでに時間がかかります。さらに、審美的な面でもデメリットがあります。部分入れ歯のワイヤーが見えてしまうことがあり、また歯の色が不自然に見えることもあります。加えて、隣の健康な歯を削らなければならない場合があり、結果的にその歯に負担がかかることも。

また、部分入れ歯は、毎日の装着や取り外しの際に、針金がかけられた歯が揺らされることがあります。そのため、数年後には支えている歯が動揺し始める可能性もあります。

 

インプラントのメリットとデメリット

 

◦メリット

インプラントは、失った歯の代わりに人工の歯根(チタン製のピン)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。顎骨にしっかりと固定されるため、噛む力が非常に強く、天然の歯とほぼ同じ感覚で食事を楽しむことができます。見た目も自然で審美性に優れているため、特に人前で話す機会が多い方や外見にこだわる方に人気です。

また、インプラントは周囲の歯に負担をかけないという点も大きなメリットです。従来の治療法では隣接する歯を削ったり、支えにすることがありましたが、インプラントはそのような影響がなく、健康な歯を守ることができます。

 

◦デメリット

しかし、インプラントには外科的な手術が必要です。顎の骨にしっかりと固定されるため、骨の健康状態や全身の健康状態によっては手術が受けられない場合があります。また、インプラントと顎骨が結合するには時間がかかり、治療期間は長期にわたることが一般的です。

加えて、インプラント治療は自由診療であり、治療費が高額になることがデメリットです。また、インプラント治療には高度な技術が求められるため、経験豊富で信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。

 

まとめ:自分に合った治療法を選ぶために

インプラントと部分入れ歯には、それぞれメリットとデメリットがあります。自分のライフスタイルや口腔内の状況、費用面などを考慮し、最適な治療法を選ぶことが大切です。また、むし歯や歯周病を予防するためには、定期的な歯科健診と日頃のケアが欠かせません。歯を失うリスクを減らすためにも、日常的なケアを怠らずに行いましょう。

次回の豆知識では、さらに詳しい歯の健康情報をお届けしますので、お楽しみに!

 

理事長 福原隆久

医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック

理事長 福原 隆久 監修

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