知っておきたい!歯列矯正で「ブサイク」にならないためのポイント
目次
歯列矯正のメリット
咬合の改善
歯列矯正とは、一般的に不正咬合の治療を意味します。不正咬合は、歯の並びや咬み合わせが正しくない状態を指します。これにより、日常生活に支障をきたすことがあり、将来的には歯の喪失リスクが高まります。矯正治療により不正咬合を修正することで、咬合機能が改善され、長期的な口腔健康が維持されます。
齲蝕(虫歯)・歯周病予防
歯並びが悪いと、歯が重なっている部分や凹凸があることにより、適切なブラッシングを行いにくく、デンタルプラーク(歯垢)が残りやすくなります。これにより、虫歯や歯周病(歯肉炎・歯周炎)のリスクが高まります。さらに、咬み合わせの不良により特定の歯に過剰な咬合力(噛む力)がかかることで、歯の破折や亀裂が生じやすくなります。矯正治療を行うことで、これらのリスクを大幅に軽減できます。
口元・横顔の審美改善
審美的な歯列矯正は、Eライン(鼻尖から顎先を結ぶライン)の内側に口元が収まることにより、美しい横顔を形成します。矯正治療は、ただ単に機能を改善するだけでなく、審美的な効果も大いに期待できます。
顎関節症の予防
不正咬合は顎関節症(Temporomandibular Joint Disorder, TMD)を引き起こすリスクがあります。矯正治療によって顎にかかる力を均等に分散させることで、顎関節症の予防が可能です。
咀嚼機能の向上
正しい咬合を実現することで、歯が均等に接触し、咀嚼効率が向上します。これにより、消化器官への負担が軽減され、特定の歯に過剰な負担がかかることを防ぎます。
コンプレックスの解消
歯列不正が原因で見た目に対するコンプレックスを抱えている場合、矯正治療によりその悩みを解消できます。これにより、笑顔に自信が持てるようになったり表情が明るくなったというお声を頂いたこともございます。
歯列矯正のデメリット
治療中・治療後の違和感・痛み
個人差はありますが、矯正装置による圧力で一定の痛みや違和感を感じることがあります。また、咬合が変わることで、治療後もしばらくは違和感を覚えることがあります。
治療中の齲蝕・歯周病リスク
矯正装置が原因で歯の清掃が難しくなり、デンタルプラークの蓄積による虫歯や歯周病のリスクが高まります。特にワイヤー矯正ではブラケット周りにプラーク(歯垢)が溜まりやすく、マウスピース矯正ではプラークの取り残しが問題となります。
治療後の後戻りリスク
矯正治療が完了しても、歯が元の位置に戻ろうとする力が働くことがあります。これを防ぐためにリテーナーという保定装置を使用する必要があります。
偶発症のリスク
稀に歯根吸収(歯の根が短くなる)、骨性癒着(歯根と骨が癒着する)、神経の失活(歯の神経が死ぬ)、歯肉退縮(歯ぐきが痩せたり下がる)、顎関節症などの偶発症が発生することがあります。
顔貌のマイナス変化
矯正や矯正に伴う抜歯が原因で顔が面長になったり、ほうれい線が深くなることがあります。これにより、矯正治療を受けたにもかかわらず、「ブサイクになった」と感じることがあります。
歯列矯正で「ブサイク」になる原因と対策
原因は?
皮膚の弛み:前歯の突出を矯正することで、張っていた皮膚が弛み、ほうれい線が目立つことがあります。
筋肉の衰え:矯正中に食事量が減ることで顔が痩せたり、顎の筋力が低下することがあります。
歯の移動:歯を前に並べるスペースを確保せずに矯正を行うことで、出っ歯になることがあります。


対策は?
信頼できる歯科医選び:経験豊富で知識のある歯科医師を選ぶことが重要です。レントゲンやCT、光学印象などの資料を基に治療計画を立てる医院を選びましょう。
カウンセリングの重視:治療前のカウンセリングでしっかりと相談し、自分の希望や懸念を伝えましょう。
保定装置の使用:治療後の後戻りを防ぐためにリテーナーを適切に使用しましょう。
歯列矯正後のケアとメンテナンス
1. 虫歯・歯周病予防 毎日の歯磨きはもちろん、フロスや歯間ブラシを使って丁寧に清掃しましょう。特に矯正装置が外れた後も、ブラケット周りにホワイトスポットが残っていないか注意しましょう。
2. 顔貌ケア 矯正治療後は、口輪筋や表情筋のトレーニングを行いましょう。これは、矯正治療中から始めることが重要です。

失敗しないための歯科医選びと再矯正のポイント
1. 歯科医選び 複数の歯科医院で相談し、経験豊富な矯正専門医を選びましょう。ネットの評判や口コミだけでなく、実際に医院に足を運び、納得のいく説明を受けることが大切です。
2. 再矯正 矯正治療がうまくいかなかった場合、早めに再矯正を検討しましょう。早期の対応が効果的です。
歯列矯正は、美しい歯並びと健康な口腔環境を実現するための重要な治療です。正しい知識と適切なケアで、歯列矯正のメリットを最大限に活かしましょう。
監修:医療法人隆歩会理事長 歯学博士 福原隆久