痛い口内炎、自宅で対処できる?

目次
口内炎ができたらどうしたらいいの?
口内炎ができると、その痛みは激痛とまではいかないものの、食事中にしみたり、仕事や勉強に集中できなかったり、夜もなかなか寝付けないなど、さまざまな影響を受けることがあります。
まず、口内炎ができたらうがいをお試しください。特に、殺菌・消毒作用のあるうがい薬が効果的です。食後に歯磨きやうがいをすることで口腔内を清潔に保ち、炎症の拡大を防ぐことができます。また、口内炎の治癒を促すためにはビタミンB群を含むサプリメントの摂取も有効です。ビタミンB2やB6は、細胞の再生を助ける役割があり、口内炎を早く治すことが期待できます。
市販薬では、ステロイド入りの塗り薬やパッチタイプの製品が薬局で購入できます。これらの薬剤は患部に直接塗布または貼付することで、細菌の侵入を防ぎ、痛みを和らげる効果があります。薬剤師に相談の上、適切な製品を選びましょう。
NGな対処法とは?
してはいけない対処法としては、患部を手で触ったり押さえたりすることです。手に付着した細菌が感染を引き起こし、炎症が悪化する可能性があります。軟膏などを使用する際は、必ず手を清潔に洗ってから塗布するようにしましょう。口内炎を悪化させないためには、口腔内の清潔を可能な限り保つことが基本です。
口内炎は何科を受診するのがいいの?
口内炎が長引いたり症状がひどくなった場合は、歯科(口腔外科)や医科を受診することをおすすめします。口内炎は歯や口腔内の環境によって引き起こされることが多いため、歯科を受診するのが一般的です。特に、噛む場所にできた場合や、入れ歯や被せ物の不具合が原因と考えられる場合は、歯科が適切です。
医科の場合、耳鼻咽喉科が推奨されていますが、内科や皮膚科でも診察を受けることができます。いずれの診療科でも、口内炎が悪性のものではないか確認してもらうことが可能です。

口内炎の予防法
口内炎は大きな病気ではありませんが、痛みや不快感を伴うため、できるだけ予防したいものです。以下の点に注意することで、口内炎の発生リスクを抑えることができます。
口腔内の清潔保持
毎日の歯磨きやデンタルフロスの使用、定期的な歯科検診を受けましょう。アルコールフリーのマウスウォッシュも有効です。
栄養バランスの取れた食事
特にビタミンB群を意識して摂取することが重要です。ビタミンB2やB6は細胞の新陳代謝を促進し、口内炎の予防に効果があります。
規則正しい生活習慣
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。
ストレス管理
ストレスをため込まず、適度に発散することが大切です。
口内炎で気をつけること
口内炎は通常、10日程度で自然に治癒しますが、2週間以上治らない場合は歯科口腔外科や病院を受診することをおすすめします。長引く口内炎は、何らかの病気が疑われることがあります。特にウイルス性のものや、場合によっては口腔がんの可能性もあります。早期発見・早期治療が重要です。
中には、「診察して何もなかったら申し訳ない」と思い、受診をためらう方もいますが、2週間以上続く口内炎や痛みが強い場合は、迷わず受診しましょう。
口腔がんと口内炎の違い
口内炎と初期の口腔がんは見た目が似ており、自己判断が難しいことがあります。口内炎はその種類によって見た目は若干異なりますが、表面が白または黄色っぽく、周囲が赤みを帯びたできものができることが多いです。しかし、口腔がんは硬いしこりや表面がざらざらするなどの特徴があります。ただ、口腔がんの方が初期段階では痛みがないことも多く、軽視されたりそのままの状態で置いとかれがちです。
口内炎が2週間以上治らない場合や、見た目に異常を感じた場合は、歯科(特に口腔外科)や医科を受診し、専門的な診断を受けましょう。ネットで情報を調べることも一つの方法ですが、自己判断は避け、専門医に相談することが重要です。
口内炎が気になったら
口内炎が長期間治らない、もしくは通常とは異なる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。定期的な歯科検診を受けることで、口内炎だけでなく口腔内全体の健康状態をチェックすることができます。予防歯科・歯科検診を活用し、健康な口腔環境を保ちましょう。
監修:医療法人隆歩会理事長 歯学博士 福原隆久