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適切な入れ歯の手入れの仕方

入れ歯というのは、1度作ると数年は使用できる補綴装置です。けれども、手入れの仕方やオーラルケアの方法によっては、入れ歯が合わなくなったり、壊れてしまったりすることがありますので注意が必要です。ここではそんな入れ歯の適切な手入れの仕方などについて詳しく解説します。

 

1.入れ歯は汚れやすい

入れ歯は、天然の歯よりも汚れやすい傾向にあります。例えば、天然の歯というのは、普段から唾液による自浄作用が働いていたり、歯質そのものが人工歯と比べて汚れを付着させにくい性質をもっていたりすることから、入れ歯ほど汚れやすくはないといえるのです。一方、入れ歯というのはレジンなどによって作られた人工物ですので、手入れの仕方が悪いと歯垢や歯石などが堆積してしまいます。

 

2.天然の歯と同じように歯石がたまる?

歯科医院には、入れ歯に沢山の歯石を付着させた患者さんもいらっしゃいます。入れ歯は人工物であるため、そうした汚れはつかないものと思い込んでいらっしゃる方も少なくないのです。けれども、入れ歯はむしろ天然の歯よりも汚れが付きやすいため、適切な方法で毎日手入れをしなければいけません。

 

3.歯ブラシでゴシゴシ磨いてはダメ

多くの人がやりがちなのは、普段歯を磨いている歯ブラシで、天然の歯と同じように入れ歯を磨いてしまうことです。これはあまり良い手入れの仕方とはいえません。なぜなら、入れ歯というのはレジンなどのプラスチックで作られていますので、一般的な歯ブラシでゴシゴシと強く磨くと、表面に無数の傷ができてしまいます。傷ができると、そこへ汚れがたまりやすくなるため、衛生面がさらに悪化します。そこで、入れ歯用のブラシを活用したり、入れ歯洗浄剤で入れ歯を洗ったりすることをお勧めします。

 

4.入れ歯洗浄剤の重要性

入れ歯には天然のような自浄作用が働いていませんので、入れ歯洗浄剤による化学的清掃が不可欠といえます。それも毎日使用することで、入れ歯を清潔に保つことが可能といえます。

 

5.装着していないときは水に浸ける

就寝中は入れ歯を外すように歯科医師から指導を受けているかと思いますが、その際、入れ歯を直に洗面所などに放置してしまう方がいらっしゃいますが、そうした保管方法はおすすめできません。というのも、入れ歯は乾燥すると変形を招く恐れがあるからです。あるいは、乾燥によって性質が弱くなり、割れやすくなることもあります。そういったことから、入れ歯を口腔内から外すときは、必ず水につけるなどして乾燥するのを防ぎましょう。

 

6.合わない入れ歯は修理が必要

私たちの口腔内は絶えず変化しています。とりわけ高齢の方は、歯が抜けたり摩耗したり、あるいは顎の骨が吸収されて咬み合わせが低くなったりすることもあります。そうした変化が口腔内に現れると、これまで使っていた入れ歯がフィットしなくなることがあります。それに気づかず、無理して合わない入れ歯を使い続けると、さらなる口腔内への悪影響が及びかねませんので、合わなくなった入れ歯は修理していきましょう。入れ歯の調子が良いかどうかは、定期的に歯科医院を受診することで確かめることができます。少しのズレであれば、簡単な修理で対応できますので、違和感があったら早めに受診することをおすすめします。

 

7.まとめ

入れ歯は上述したような方法で手入れをすることで、長く使い続けることが可能です。せっかく時間をかけて作った入れ歯ですので、大切に使い続けることが望ましいです。ただし、入れ歯が合わなくなってきたら、すぐに修理しましょう。合わない入れ歯は、口腔内におけるさまざまなトラブルを引き起こしかねません。